名作アニメ映画が35年ぶり4Kでリメイク 森本レオが語る当時の熱気「ディズニー超えたるぞと」

1987年公開の長編アニメ映画「王立宇宙軍 オネアミスの翼」の35周年記念4Kリマスター版の初日舞台あいさつが10月28日に東京・新宿バルト9で行われ、シロツグ役の森本レオ、山賀博之監督、渡辺繁プロデューサーが参加して当時の制作秘話を語った。

舞台あいさつに登場した森本レオ【写真:ENCOUNT編集部】
舞台あいさつに登場した森本レオ【写真:ENCOUNT編集部】

長編アニメ映画「王立宇宙軍 オネアミスの翼」

 1987年公開の長編アニメ映画「王立宇宙軍 オネアミスの翼」の35周年記念4Kリマスター版の初日舞台あいさつが10月28日に東京・新宿バルト9で行われ、シロツグ役の森本レオ、山賀博之監督、渡辺繁プロデューサーが参加して当時の制作秘話を語った。

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「王立宇宙軍 オネアミスの翼」は庵野秀明・貞本義行らが制作スタッフに加わったオリジナルアニメで、森本は主人公の宇宙飛行士・シロツグを声優として演じた。

 4K版の上映に森本は「4Kってよくわからないんですけど」と観客を笑わせながら、「あの当時、僕らはディズニーを超えたるぞと皆意気込んでいて騒いでました。映像がめっちゃきれいだし、普段難しい映画ばっかり見てる連中が『めっちゃ面白いぞ』って盛り上がってて、ディズニー超えてる!って一致した感想でした。リアルを超えとるなって!」と当時の熱気を話し、「それが4Kになるってどこまでいくんだと」と4K版への期待を語った。

 当時大学生ながら監督を務めた山賀博之氏は森本へオファー出した理由を「声優さんも上手にやっていただけるんですけど、その世界じゃいやだなってのがスタートのところであって、もう少し声優の演技じゃない世界でやれないかなって思って、森本さんの名前を口走ったらいろんな人が調べてくれて『行けますよ』ってなって」と明かした。

 森本も「当時人形劇『三国志』とかで声優の役をいっぱいやっていて、声優っぽくやるのがすごく楽しかったのに『上手くやらないでください』って言われて。周りと比べたら自分だけ下手に聴こえるんですよ。落ちこんでたら声優のお姉さん(ヒロイン役の弥生みつき)が『新鮮だったよ』ってなぐさめてくれて」「もうちょい声優っぽくやってもよかったかな。自分でも右往左往してる感じがあるんですね」と演技を振り返ったが、山賀監督から「僕の方も申し訳ないところはあったんですよ。そう(下手に)思われるんじゃないかなと。僕としては狙いだったんです」「声優の演技の世界に新風を吹き込みたいって意図だったんです」と森本へのオファーや演技の裏話が明かされた。

 渡辺プロデューサーは「あれよあれよという間に企画が通ってしまって。どこかで止めてくれと僕は思ってたんですけど。ものすごい熱量だったんですね。コップ一つのデザイン考えるのにもスタッフが徹夜で喧々諤々に議論してたんです。『何やってるんだろこの連中』って思っていたんですけど、こんな熱は他の現場で見たことがなかった」と話し、「この作品の世界って架空で日本ともアメリカとも違うし、架空の世界をゼロから作り上げるわけです。ものすごい人たちが集まってすごい熱量で作ったんです」と当時の現場の熱気を振り返りった。

 また「単なる懐古趣味で見るんではなくて、熱いバカみたいなエネルギーが世の中を変えていくって前例だなと思っていて、年配の方も若い方にどんどんトライをさせていただきたいなと思います」と作品のファンにメッセージを伝えた。

次のページへ (2/2) 【写真】初日舞台あいさつでの集合ショット
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