【麒麟がくる】高橋克典「なかなかいい死に方」初大河で信長の父・信秀役を全う
NHK大河ドラマ「麒麟がくる」の第12回が5日に放送された。第12回では、高橋克典演じる信長の父・信秀がついにこの世を去った。今作が大河初出演となった高橋は「撮影はとても楽しかった」と濃く太く生きた信秀としての撮影期間について振り返った。
信秀の最期はクランクイン初日に撮影 「ここからが新しい時代」
NHK大河ドラマ「麒麟がくる」の第12回が5日に放送された。第12回では、高橋克典演じる信長の父・信秀がついにこの世を去った。今作が大河初出演となった高橋は「撮影はとても楽しかった」と濃く太く生きた信秀としての撮影期間について振り返った。
「今回は4Kでの撮影もありますし、自分の年齢もありポジションがそれまでと違ってきていますので、どんなお芝居が合うのか、模索しながら演じました」という高橋。「大河ドラマはすごくスケール感が大きいです。どこに行ってもすごい大がかりなセットが組んであるので、毎回驚きました。すごく大勢の出演者やスタッフがいますし、撮影がどんどん進んでいきますから、僕にとってはなかなかない現場でしたので、非常に刺激的でした。『大河』という名のごとく大きな河の流れの中に、撮影自体もあるような気がしました」と初めて参加した大河ドラマ撮影の感想を口にした。
高橋が演じた織田信秀は、主人公・光秀(長谷川博己)が仕える美濃の守護代・斎藤道三(本木雅弘)の永遠のライバル。尾張と美濃の隣り合う2国は戦を繰り返していたが、左肩に毒矢を受けた信秀は徐々に病魔に侵されて力を失っていき、ついに美濃と和睦を結ぶことを決心。道三の娘・帰蝶(川口春奈)を、信秀の嫡男・信長(染谷将太)の嫁として迎え、信長に家督を継がせようとする。
信秀はこれまでの歴史作品ではあまり描かれてこなかった存在だが、「麒麟がくる」の世界では豊かな海や市を擁して経済的発展を遂げた尾張を築き上げた重要人物として描かれた。演じるにあたり、「今までの信長のイメージを信秀が請け負ってほしい」と番組プロデューサーから注文を受けていたことを明かした高橋。
「信長にとっての信秀は、もしかしたら越えられない山なのかもしれません。信長から見たら信秀が憧れであり、反面教師でもあったと思いますが、どういう形であれ父が息子に与えた影響は絶大だったはずです。僕は愛情を持って信長のことを見ていましたが、息子に対してもっとドライで、グサッと精神的に突き放した冷たさがあってもよかったかなと思っています。ふがいないという思いで、信長を諦めていてもよかったかな」と、信秀亡きあと家督を継ぐことになる信長との関係性について語った。
信秀は第12回でその生涯を終え、尾張の中心は信長に移っていくことになる。高橋は「信秀は疲れきっていて、もう運もなく、体には毒も回ってきている。それを自分でも見切っているんですよね。それでも力を振り絞って元気には見せていますが、内側はどんどん痩せていきます。ですから、あまり剛毅なところが見せられなかったので、少し残念でした。もうちょっと暴れたかったですね」と序盤での退場を残念がったが、「信秀から信長へと時代が変わっていくところですが、ここからが新しい時代の幕開けです。撮影初日に撮ったシーンでしたが、なかなかいい死に方をさせて頂きましたし、そんな信秀の最期を演じることができて、寂しいながらもとても嬉しく光栄に思っております」と信秀の最後を見守った視聴者にメッセージを送った。
父親に認められたい一心でもがきながらも、目標を失った信長が今後どう成長していくか、ますます目が離せなくなりそうだ。