なぜビスブラは“ハマった”のか 審査員の言葉から読み解くKOC「演技力がないと上がっていけない」

2022年のコント日本一決定戦「キングオブコント2022」の決勝が8日、TBS系お笑い生特番「お笑いの日2022」内で開催された。2011年結成のお笑いコンビ「ビスケットブラザーズ」が歴代最高得点となる「983点」で3018組の頂点に立ち、優勝賞金1000万円を手にした。歴代最高点をたたき出すことができた理由を、審査員の言葉から読み解く。

「ビスケットブラザーズ」が優勝した要因とは?【写真:ENCOUNT編集部】
「ビスケットブラザーズ」が優勝した要因とは?【写真:ENCOUNT編集部】

「演技力」がキーワードに

 2022年のコント日本一決定戦「キングオブコント2022」の決勝が8日、TBS系お笑い生特番「お笑いの日2022」内で開催された。2011年結成のお笑いコンビ「ビスケットブラザーズ」が歴代最高得点となる「983点」で3018組の頂点に立ち、優勝賞金1000万円を手にした。歴代最高点をたたき出すことができた理由を、審査員の言葉から読み解く。

 ビスケットブラザーズは1stステージで「野犬」を、ファイナルステージで「ぴったり」をそれぞれ披露。審査員のダウンタウン松本人志は自身の歴代最高得点となる「98点」を両ステージでつけるなど、完全に審査員の心をつかんだ。1stステージ突破の段階で、次点に11点の大差をつけての完全勝利だった。

 今大会には3018組がエントリー。1回戦、2回戦を勝ち進むと、準々決勝からは5分のネタを用意することになる。その中で爆発的な笑いを生み、会場の空気を支配するためには複雑な要素が絡み合う。この日、審査員の口から出たワードをピックアップすれば、今大会では「設定/脚本」「暗転の使い方」「演技力」がカギを握ったように思う。松本人志は「演技力がないと上がっていけない恐ろしい時代になった」とつぶやいた。コント師には演技力が必要不可欠なのだ。

 15代目王者に輝いたビスケットブラザーズは、優勝会見で演技力をどう身に着けたかを問われた。原田はもともと役者志望。日本の芸能について実践を交えて広く学ぶことができる芸能文化科を擁する大阪府立東住吉高等学校出身で、演劇に親しんできたと言う。原田によると、その後「心が折れて、そこから芸人になった」そうだが、「ちゃんと演じたい気持ちはある」と胸を張った。

 一方のきんは演技経験ゼロ。それでも「演技力がついたと自負している」と振り返ったのは、芸歴2、3年目の時に立ったという吉本興業主催の舞台だ。コントでも漫才でもなく、「2時間半がっつりお芝居」という公演を経て、現在の礎が築かれた。同じく決勝の3組まで残った「コットン」も、審査員から「2人の演技力で台本が何倍にも増している」と絶賛されていた。

 逆に、「本調子ではない」「緊張しているのでは」と見抜かれ、減点されてしまったコンビも。コントにおいて、役になりきる演技力がネタの完成度を何倍にも高めることを改めて痛感させられる大会になった。

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