原田知世、デビュー40周年で人生初のボイトレ開始「今は歌うことが楽しくて仕方ない」
「アニバーサリーは私を見守ってくれたファンへお返しする年」……デビューから40周年を迎えた原田知世は、ファンへの感謝を込めた30曲のオールタイムベスト「原田知世のうたと音楽~デビュー40周年記念ベスト・アルバム」をリリースした。そんな歌手として活動してきた40年を大切なファンに向けて振り返るインタビューシリーズ。後編はアーティスト原田知世の新たな挑戦を追った。
初めてのバンド活動、俳優と歌手の両方を表現できたカバーアルバム
「アニバーサリーは私を見守ってくれたファンへお返しする年」……デビューから40周年を迎えた原田知世は、ファンへの感謝を込めた30曲のオールタイムベスト「原田知世のうたと音楽~デビュー40周年記念ベスト・アルバム」をリリースした。そんな歌手として活動してきた40年を大切なファンに向けて振り返るインタビューシリーズ。後編はアーティスト原田知世の新たな挑戦を追った。(取材・文=福嶋剛)
――前回は鈴木慶一さん、トーレ・ヨハンソンさんという2人のプロデューサーとの出会いが大きなターニングポイントになったお話をお聞きしました。今回はその続きになります。オールタイムベストに収録されている「Anywhere」は原田さんにとって初めてのバンド「pupa」(=ピューパ)の楽曲です。
「小さい頃から『バンドって楽しいんだろうな』と思っていましたが、私はソロとして活動しているのでたぶん体験できないってあきらめていたんです。ところが高橋幸宏さんに声をかけていただき、2007年にpupaのメンバーとして活動することになりました。本当にうれしかったですね。幸宏さん、高野寛さん、高田漣さん、堀江博久さん、権藤知彦さんというそうそうたるメンバーの中で楽しい時間を過ごすことができました」
――メンバーの顔ぶれを見るだけでレコーディングもライブも楽しかっただろうなと想像してしまいました。
「まるで学校の実験室で好きな研究をみんなでやっているような楽しさがありました。そこに私も混じって歌詞を書いたり、歌ったり。すごい方ばかりなので余計な重圧もなくリラックスして一緒にいられましたし、バンドの一員として野外フェスのステージに立った時はすごく気持ち良かったです。それぞれの活動がある中でpupaというバンドを楽しんでいる大人の余裕というか、それがむしろ良い感じで作用していたと思います」
――同時にソロ活動では、新たにプロデューサーとなった伊藤ゴローさんとの音楽制作が始まりました。当時ゴローさんのソロプロジェクト作品にゲスト参加したことがきっかけで、アルバム「music & me 」(2007年)のプロデュースや朗読と歌の会「on-doc.」(オンドク)でも一緒にツアーを回ったそうですね。
「はい。ゴローさんの作る音楽には慶一さんやトーレさんに通じる手作り感があって、常に新しいことに挑戦しようという探求心のある方なので、役者としての仕事が一段落して音楽に戻ってきた時、前回やったこととは違うアイデアをすでに考えていらっしゃるので、毎回新鮮な気持ちで次の作品に向き合うことができています」
――カバーアルバム「恋愛小説」(15年)、「恋愛小説2~若葉のころ」(16年)、「恋愛小説3~You&Me」(20年)の3部作は、慶一さんやトーレさんと同じように原田さんの歌声をよく理解されているゴローさんのプロデュースで歌謡曲から洋楽までさまざまな名曲を原田知世さんの色に染め上げた作品となりました。
「カバー3部作は、はじめて役者とシンガーの両方を表現できた作品でした。役者として演じる機会のないキャラクターも歌では自由に表現できる面白さや、英語で歌うと声の響きが変わって聴こえる新しい発見がありました。それに、子どもの頃にテレビの前で歌っていた思い出の曲を自分の作品として歌える幸せもありました」
――俳優と歌手、両方を長く続けてきたからこそ作ることができた作品でもあるわけですね。そして今年40周年を迎えて、春にリリースした通算21枚目のアルバム「fruitful days」では、ミュージシャンの川谷絵音さんや網守将平さんの提供曲など、新たなチャレンジをされた作品でもあると感じました。
「たしかに新しい一歩を踏み出したアルバムになりました。というのも実は生まれて初めてボイストレーニングに取り組んでいて、まさに今、トレーニングの真っ最中なんです」
歌もゴルフもリラックスが大切
――ボイストレーニングとは意外でした。いつから始めたのでしょう?
「今年に入ってからです。偶然、とてもいい先生と出会って声の出し方やのどの使い方などを教わっています。少しずつですが、自分でも変化を楽しみながら、これからも続けていきたいと思っています」
――原田知世さんの歌声がさらに進化したわけですね?
「今まで経験したことのないくらい自分の中の“伸びしろ”を感じています(笑)」
――それは40周年記念コンサートでも聴くことができますね! 過去曲を歌い直したくなる衝動は。
「あります。今は歌うことが楽しくて仕方がないんです(笑)」
――最後の質問になりますが、今回のインタビューでは世間の原田知世像(=パブリックイメージ)というお話がありました。そこで原田さんは普段どんな生活を送っているのだろうと……余計なお世話だと思いますが(笑)。たとえば味の素AGFさんの「ブレンディー」のCMみたいにリラックスした毎日を送っているのでしょうか?
「なるほど(笑)。『ブレンディー』のCMは20年以上も続けさせていただけるなんて思っていなかったので本当にありがたいですし、オールタイムベストと同じくらい私にとっての大切な記録の1つなんです。そして普段の私ですか?……ものすごく細かいところとのんびりなところが両極端なんです」
――たとえば。
「1つのことが気になるとずっとこだわってしまうタイプで、お料理なんかはわりと細かいです。やっぱり味を左右するので調味料はきちんと量って入れたいですし、お洋服選びなんかもそうかもしれませんね。だから最近はお料理以外のことはなるべく薄目で見るぐらいの感覚でリラックスして過ごすように心がけています」
――では原田さんの大好きなゴルフも薄目で。
「ゴルフは薄目で打ったら全然ダメじゃないですか(笑)。でも、ゴルフもあまり神経質になると余計な力が入っちゃうから反対に良くないですよね。歌もゴルフもすべてにおいて“リラックス”が大切ですね」
□原田知世 1983年、オーディションで5万7千人の中から選ばれ、映画「時をかける少女」でスクリーンデビュー。近年は映画「しあわせのパン」、「あいあい傘」、「星の子」やNHK連続テレビ小説「半分、青い。」、日本テレビ系日曜ドラマ「あなたの番です」、テレビ東京 ドラマ24「スナック キズツキ」など数々の話題作に出演。歌手としてもデビュー当時からコンスタントにアルバムを発表。1990年代は、鈴木慶一、トーレ・ヨハンソンを迎えてのアルバム制作や、オール・スウェディッシュ・メンバーとの国内ツアーなどで新たなリスナーを獲得。近年はプロデューサーに伊藤ゴローを迎え、充実したソロ・アルバムをコンスタントに発表しているほか、高橋幸宏らと結成したバンドpupa(ピューパ)にも在籍。そのほか、ドキュメンタリー番組等のナレーションを担当するなど幅広く活動している。2022年10月5日オールタイムベスト「原田知世のうたと音楽~デビュー40周年記念ベスト・アルバム」発売。10月16日40周年記念コンサートを東京国際フォーラムホールAで開催。
原田知世公式HP:http://haradatomoyo.com/
Twitter:https://twitter.com/o3a3
Instagram:https://www.instagram.com/o3a3_haratomo/
ユニバーサルミュージック:https://www.universal-music.co.jp/harada-tomoyo/
【インタビュー衣装】
「JOHNBULL」
千鳥チェックノーカラージャケット\28,600
千鳥チェックドッグイヤーパンツ\18,700
「petite robe noire」
シルバーネックレス\93,500
ロングシルバーネックレス\39,600
プーフイヤリング\17,600
ストーン付きリング\13,200
シルバーリング2点共に\9,900
【コンサート情報】
「原田知世 40th Anniversary Special Concert “fruitful days”」
日程:2022年10月16日(日) 午後4時開場 / 午後5時開演
会場:東京国際フォーラムホールA
出演:原田知世 スペシャルゲスト:大貫妙子、鈴木慶一、高野寛、土岐麻子
指定席 \8,800(税込)
※SS席・S席はSOLD OUT
※未就学児童入場不可
【リリース情報】
「原田知世のうたと音楽~デビュー40周年記念ベスト・アルバム」
発売中
限定盤(2SHM-CD+DVD): UCCJ-9240 ¥5,500(税込)
通常盤(2SHM-CD): UCCJ-2212/3 ¥3,850(税込)
「ToMoYo covers~原田知世オフィシャル・カバー・アルバム」
2022年11月2日(水)発売
SHM-CD: UCCJ-2214 ¥3,300(税込)
予約:https://Tomoyo-Harada.lnk.to/ToMoYocoversPR