赤井英和 “赤井英和の嫁”との力関係は「100対0」 お小遣い制、皿洗いで“賃上げ”

俳優・赤井英和(63)のボクサー時代を追ったドキュメンタリー「AKAI」が公開中だ。編集・監督はプロボクサーの長男、赤井英五郎(27)。赤井英和と、ツイッターで「赤井英和の嫁」として人気の佳子さん(56)が映画、赤井家の子育て、夫婦の力関係を明かす。

赤井英和&佳子さん夫妻【写真:荒川祐史】
赤井英和&佳子さん夫妻【写真:荒川祐史】

夫婦対談、ボクサー時代を追ったドキュメンタリー「AKAI」が公開中

 俳優・赤井英和(63)のボクサー時代を追ったドキュメンタリー「AKAI」が公開中だ。編集・監督はプロボクサーの長男、赤井英五郎(27)。赤井英和と、ツイッターで「赤井英和の嫁」として人気の佳子さん(56)が映画、赤井家の子育て、夫婦の力関係を明かす。(取材・文=平辻哲也)

「AKAI」は大学と独学で映像を学んだ英五郎が2020年春のコロナ禍による緊急事態宣言で自粛していた際に製作した。英和のボクサー時代の秘蔵映像と現在のインタビューでつづる。この製作を陰で支えたのが佳子さんだった。初監督とは思えない出来栄えで、赤井英和の人間性も垣間見える力作だ。完成するまでは英五郎と佳子さんは結託して、英和に見せなかったという。「赤井はとにかくダメと言われたことをやってしまう性格なんです」と佳子さん。

 その最たるエピソードは当時高2だった英五郎が「ボクシングをやりたい」と言い始めたときのことだ。「『やりたいと言っているだけで、実際にはやってないから、誰にも言わないで』と言っていたのに、スポーツ紙の記者さんに話しちゃったんですよ」(佳子さん)。「赤井がおいしい店を紹介する取材だったんですけど、うれしくなって、『こんな話が……』と言ってしまったんです。大きく書いてもらえたんで、喜んでその記事を持って帰ったら、ほんまにメチャクチャ怒られましたね」(英和)。

 映画「AKAI」の完成には夫婦ともども感慨ひとしお。佳子さんは「作っているときから見ていましたが、見れば見るほど、面白い。やっぱり心が乗ると、映像って違うんだなと思いました。思いがけないところで感動したりしました」と言えば、英和も「スクリーンで前のめりになって見て、私も赤井英和のファンになりました!」と話す。

 英和と佳子さんの間には大手企業勤務の長女・つかさ(2017ミス・ユニバース・ジャパン東京大会審査員特別賞受賞)、長男・英五郎、ロサンゼルスで俳優として活動中の次男・英佳(ひでよし)の3人の子供がおり、それぞれ米国での教育を受けさせた。

「こじんまりした感じになるような気がして、『のびのびした環境で育てた方がいいんじゃない』と夫婦で話し合って、ハワイの学校を見つけたんです。3人とも結局10年間アメリカにいましたが、最初はそんな長く留学させるつもりもなくて、1年ずつ『どうする』と聞いていった感じだったんです。娘と次男は勉強が好き。100あることを100覚えていくタイプ。英五郎は1をいろんな角度から見るタイプ、ある意味、留学が一番合っていたかもしれないですね。耳もよかったので、英語も早く話せましたし、友達もいっぱい作っていました。人間、褒められると、伸びると言いますけど、そんな感じがしました」

 結婚生活は30年を迎えるが、けんかは一切ない。「それは、瞬時に私がごめんなさい、すいませんと謝りますから」(英和)。「もう、とりあえず謝っておけ、という感じだもんね。私は、年に何万回も頭に来ることがあるんです。実はここに来るまでも……。赤井は、私が怒っているのがイヤなんです。早く許してほしいと思っているんですよね」(佳子さん)。

ツイッターのフォロワーは41万を超える大人気【写真:荒川祐史】
ツイッターのフォロワーは41万を超える大人気【写真:荒川祐史】

「赤井英和の嫁」が41万フォロワーを超える大人気 英和本人は一切関知せず

 英和が「うちの夫婦の力関係は100対0です」というように、財布のヒモも佳子さんが握っている。英和はお小遣い制。毎月24日に個人口座に振り込まれる。佳子さんが「でも、結婚してからお小遣いのうちでやったことはないんですよ。『明日からな、3日間大阪ロケやねんけども、人間食わなきゃ、死ぬやろ』って。追加の分は手渡しなんです。だから、お小遣いの範囲内で、できたら賞金を出したこともありました」(佳子さん)。「そのときは、きっちりお小遣い内でやって、毎月賞金ゲットです(笑)。賞金稼ぎと言われました」(英和)。

「でも、その賞金をもらうのにもだんだん慣れて、やっぱりできなくなってくるんですよ」と佳子さん。そこで英和が考えたのが、お手伝い作戦だ。「『こんなもんもしているよ』って、家事をやって、アピールしてくるんですね。でも、食器洗いは私がやるより、100倍きれいですね。せっけんの泡もきちんと洗い流してくれる」(佳子さん)。「今では、小遣いは関係なく、すっかりお茶わん洗いは私の仕事になっているんですわ」(英和)。

 最近では、英和の日常をつづった佳子さんのツイッター「赤井英和の嫁」が41万フォロワーを超える大人気で、「赤井図鑑」として書籍化もされている。

「最初は、あの鳥は何だろうと思って、ツイッターに投稿したのがきっかけでした。すぐに教えていただいて、これはすごいなと。今では、皆さんが共感してくださったり、楽しみにしてくださる方がいて、本当にありがたいです。相談を頂くことも多いんですよ。中には、本当に大変な思いをしている方からもあって、いろいろ考えても答えが見つからないこともあります。そんな方々に映画を見てもらえたら、元気になってもらえると思っているんです」(佳子さん)

 一方の英和はツイッターに関わっていない。「私はツイッターの見方も分かりません。パチンコをやっていると、『ツイッターを見たよ』って言われて、そんなこと書いてたんか、と思うくらいですね」。このほどよい距離感が「おしどり夫婦」の秘けつなんだろう。

□赤井英和(あかい・ひでかず)1959年8月17日、大阪市西成区出身。1980年9月、プロデビュー。12連続KO勝ちの日本記録タイを樹立。85年2月5日の試合でKO負けし、一時は意識不明の重傷を負い、選手生命を閉じる。引退後、自伝「浪速のロッキーのどついたるねん 挫折した男の復活宣言」(87)を出版。当時、無名の新人だった阪本順治監督の目に留まり、自伝を基にした映画「どついたるねん」(89)で俳優デビュー。その後はテレビドラマ、映画、バラエティー、舞台、CMとマルチに活躍する。

□赤井佳子(あかい・よしこ)1966年2月24日、青森県出身。運命的な一目惚れを経て、1993年に俳優・赤井英和と結婚。事務所社長も務める。好きな食べ物は、おにぎりとトウモロコシと焼き芋。夫・赤井英和の生態を赤裸々に呟くツイッターが話題を呼んでいる。昨年にはツイートをまとめたエッセー「赤井図鑑」(扶桑社)を発売した。

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