「とても危険」「近づいただけで感電」 新幹線ホームでの肩車に専門誌が注意喚起
「恐れ入りますが、一号車付近のお客様離れて下さい。列車発車できません」「柵から離れて下さい。離れて下さい。柵から離れて下さい」。先月27日、JR京都駅の新幹線ホームで、黄色い車体の新幹線「ドクターイエロー」に居合わせた乗客や家族連れが大興奮。しきりにアナウンスが流れるなど、一時騒然となった。これと前後して、日本唯一の高速鉄道専門誌「新幹線EX(エクスプローラ)」編集部の公式ツイッターでは、ホーム上での肩車の危険性について注意喚起。プロの目に映るホーム上の危険はどこに潜んでいるのか。今年8月から子ども向け新幹線専門誌「めざせ!!新幹線博士」も創刊した同編集部の上野弘介編集長に、投稿の意図を聞いた。
ホームに居合わせた乗客や家族連れが大興奮、アナウンスが流れるなど一時騒然に
「恐れ入りますが、一号車付近のお客様離れて下さい。列車発車できません」「柵から離れて下さい。離れて下さい。柵から離れて下さい」。先月27日、JR京都駅の新幹線ホームで、黄色い車体の新幹線「ドクターイエロー」に居合わせた乗客や家族連れが大興奮。しきりにアナウンスが流れるなど、一時騒然となった。これと前後して、日本唯一の高速鉄道専門誌「新幹線EX(エクスプローラ)」編集部の公式ツイッターでは、ホーム上での肩車の危険性について注意喚起。プロの目に映るホーム上の危険はどこに潜んでいるのか。今年8月から子ども向け新幹線専門誌「めざせ!!新幹線博士」も創刊した同編集部の上野弘介編集長に、投稿の意図を聞いた。
「新幹線を取材している身からすると、新幹線のホームでの肩車はとても危険に感じます。列車への触車はもちろんのこと、頭上には交流25000Vという大きな電気が流れています」「交流25000Vは、架線に近づいただけで感電します。子供の肩車は、なにかの拍子に感電するリスクがあります」。「#ドクターイエロー」のハッシュタグとともに投稿された専門誌からの注意喚起には、「カーボンの釣竿を担いでいるだけでも危ないと聞いてます」「不幸な事故は起きてほしくない!」などの声が寄せられている。
ドクターイエローは、新幹線の線路や架橋の状態をチェックする点検車両で、走行本数が限られるため目にすると“幸せになれる”と言われる珍しい車両だ。今年初めから公式ツイッターでの情報発信を始めたという同編集部の上野編集長は「私も同年代の子育てをしていますが、子どもは何をするか予測がつかない。肩車でなにかの拍子に転倒すると、列車に衝突するリスクがあります。また、肩車をした状態で、子どもが棒状のものを振り回すと、架線に近づいて感電する可能性もありえます」と投稿の意図を説明する。
新幹線の架線などに流れる交流25000ボルトは、前述のとおり架線に触れなくても、近づいただけで感電する。JR各社では、架線など電気が流れるところから2メートル以内は感電のリスクがあるとしており、加圧された状態で近づくことを禁じている。そのため、新幹線のホーム上では肩車や自撮り棒の使用を禁止している。
「あと、見ていて怖いなと思うのは、新幹線に子どもがタッチするようなことでしょうか。ドクターイエローのような珍しい新幹線にタッチしたくなる気持ちは分かりますが、ドアが閉まった状態の新幹線はいつ動き出すか分かりません。鉄道のプロであっても、移動禁止表示がされていない状態では、車両で作業することはできません。鉄道はルールを守っている限りはとても安全な乗り物ですが、ちょっとでもルールを破るととてつもなく危険なものに変わる。実は思っている以上に危ないんだということを伝えたかった」(上野編集長)
同編集部では2006年創刊の「新幹線EX」に加え、今年8月から子ども向け新幹線専門誌「めざせ!!新幹線博士」を創刊。親子で新幹線を安全に楽しむために、今後もさまざまな形で注意喚起を行っていくという。