Netflix韓ドラ「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」グローバル1位をキープ “大成功”の意義を識者語る

Netflixは31日、8月第4週(22~28日集計)のグローバルTOP10を発表した。18日に最終回を迎えた韓国ドラマ「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」が視聴時間5389万時間を記録しグローバルNetflixTV部門(非英語)で1位をキープした。「ウ・ヨンウ」は7月第2週(4~10日)に初めて非英語圏1位を記録後、7月第4週の1回を除いて非英語圏1位の座を守り続けている。日本のテレビ部門TOP10でも5週連続で1位を独走中だ。

Netflix日本TV部門で5週連続1位となった「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」【写真:(C)Netflix】
Netflix日本TV部門で5週連続1位となった「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」【写真:(C)Netflix】

現地メディア「チャンネルブランドではなくコンテンツ優先」

 Netflixは31日、8月第4週(22~28日集計)のグローバルTOP10を発表した。18日に最終回を迎えた韓国ドラマ「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」が視聴時間5389万時間を記録しグローバルNetflixTV部門(非英語)で1位をキープした。「ウ・ヨンウ」は7月第2週(4~10日)に初めて非英語圏1位を記録後、7月第4週の1回を除いて非英語圏1位の座を守り続けている。日本のテレビ部門TOP10でも5週連続で1位を独走中だ。

 同ドラマは自閉スペクトラム障害を持つIQ164の新米女性弁護士ウ・ヨンウ(パク・ウンビン)が一流弁護士事務所「ハンバダ」に入所し、さまざまな裁判で活躍する姿を描いたヒューマン法廷ドラマ。世の中に残る偏見や差別、また韓国社会の教育、環境、労働問題に正面から問題提起をする一方、親子、友人、職場の同僚との温かい人間関係をほほえましく描くなど多彩な魅力で視聴者の心をつかんだ。特に同じ法律事務所の訟務チームで働くイ・ジュノ(カン・テオ)とウ・ヨンウの恋の行方に視聴者は釘付けとなった。同ドラマは新興ケーブルチャンネルENAの水木ドラマとして放送され初回の視聴率は0.9%だったが、口コミで話題となり最終回は17.5%と驚異的な伸びを見せた。

 最終回の放送から2週間がたったが、世界中で“ウ・ヨンウシンドローム”が続いている。現地メディア「THE FACT」(24日付電子版)によると、「ウ・ヨンウ」は当初、韓国のテレビ局SBS(ソウル放送)で放送される予定だったが、制作会社のエイストーリーと6か月以上の交渉の末、議論はまとまらず結局、KTスタジオジニーが手を挙げNetflixが安定的なサプライチェーンの役割を果たしたという。

 韓国在住のジャーナリスト・菅野朋子さんがこう話す。「『ウ・ヨンウ』の脚本家が『野心が詰まっている作品』と言っていましたが、社会問題から障害者への視線などさまざまな課題、観点を盛り込んでいてそれがまた絶妙に溶け込んでいるところは作家の力量だと思います。『ウ・ヨンウ』はマイナーなケーブルテレビ局での配信でしたが、予想をはるかに超える大ヒットとなりました。これはプラットフォームが重要なのではなくコンテンツありきだということ、また、制作会社のエイストーリーは今回IP(知的財産権)を保有することに成功して大きな収益を得ており、韓国ドラマ制作へ一石を投じることになりました。『ウ・ヨンウ』はドラマ制作の観点からみてもターニングポイントになるかもしれない作品です」。

 テレビ局なのかケーブル局なのかはもはや関係なく、作品そのものの魅力とそれを世界中に配信するNetflixのような存在が不可欠ということのようだ。

次のページへ (2/2) 【写真】「ウヨンウ弁護士は天才肌」の劇中で登場した樹木の現地写真と名シーンを描いた看板(菅野朋子さん提供、韓国慶尚南道昌原市)
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