「雪女と蟹を食う」勝村政信が明かすベストセラー作家役「僕の中でドンピシャでした」

重岡大毅主演のテレビ東京系のドラマ24「雪女と蟹を食う」(毎週金曜、深夜0時12分)で、主人公と旅を続けるヒロイン雪枝彩女の夫を演じるのは、ベテラン俳優の勝村政信(59)だ。札幌ロケでの思わぬ交友、W杯サッカーへの日本代表への期待を語った。

「雪女と蟹を食う」でヒロインの夫を演じる勝村政信【写真:(C)「雪女と蟹を食う」製作委員会】
「雪女と蟹を食う」でヒロインの夫を演じる勝村政信【写真:(C)「雪女と蟹を食う」製作委員会】

「雪女と蟹を食う」ヒロインの夫役、北海道・札幌ロケではうれしいサプライズ

 重岡大毅主演のテレビ東京系のドラマ24「雪女と蟹を食う」(毎週金曜、深夜0時12分)で、主人公と旅を続けるヒロイン雪枝彩女の夫を演じるのは、ベテラン俳優の勝村政信(59)だ。札幌ロケでの思わぬ交友、W杯サッカーへの日本代表への期待を語った。(取材・文=平辻哲也)

 いよいよ佳境を迎えた「雪蟹」。人生に絶望した主人公・北(重岡)と、ナゾめいた人妻(入山法子)が北海道で蟹を食べるために旅を続ける物語の後半のキーマンというべき存在が雪枝一騎だ。その正体はベストセラー作家で、彩女とは彼女の高校時代から深い縁を持つ。

「とても面白い役を頂きました。作家には昔から興味と憧れを持っていましたが、僕の中ではドンピシャでしたね」

 勝村は高校卒業後、演出家・蜷川幸雄さんが主宰するスタジオに合格したのが俳優としてのスタートライン。「それまでは小説なんて、読んだことなかったんですけど、芝居を始めて、蜷川さんと出会って読むようになりました。最初は読まなきゃいけないという感じでしたが、読書が趣味にまでなりまして、今回の役は自分の中でリンクしたんです」。

 Netflixドラマ「全裸監督」や日本アカデミー賞作品賞を受賞した「ミッドナイトスワン」の内田英治監督との仕事はどうだったのか。

「初めてだと思っていたんですけども、実は昔、(内田監督の下積み時代に)一緒だったことがあったらしいんですが、僕は全然記憶がないんですね。監督からは『勝村さんにはよくしていただきました』って。だから、人にはよくしておくべきだと思いましたね(笑)。監督が素晴らしかった。監督はテストをしないで、本番に入るんです。そしてすべていい方向へ向いていく。普通はトラブルや何かがあったら、停滞しますが、臨機応変に対応されるので迷うことなくみんなが幸せな気持ちのまま、ずっと撮影を続けていけました」。

 北海道・札幌ロケでは撮影外でもうれしいサプライズがあった。「他局のドラマの撮影で阿部寛さんも来ていて、偶然ホテルも近かったんです。こんな(コロナ禍の)時期なので、東京でも阿部ちゃんと会えなかったんです。内田監督の素晴らしさを語っていました」。

 1963年生まれの勝村と64年生まれの阿部は兄弟のような親しい間柄。阿部は音楽隊に異動を命じられた鬼刑事を演じた映画「異動辞令は音楽隊!」(公開中)で内田監督と初タッグを組み、ドラムシーンにも初挑戦している。

小説を読むきっかけとなったのは蜷川幸雄氏。今では読書が趣味になったという【写真:(C)「雪女と蟹を食う」製作委員会】
小説を読むきっかけとなったのは蜷川幸雄氏。今では読書が趣味になったという【写真:(C)「雪女と蟹を食う」製作委員会】

テレ東のサッカー情報番組「FOOT×BRAIN」は12年目に突入

 劇中では、現在(入山)と高校時代(坂口風詩)、2人の彩女と絡むことになるが、「入山さんとは初めてだったんですけど、話したらお互いの実家(埼玉)が近くて、すぐに打ち解けました。入山さんは彩女にぴったりで、余計なことを考えずに楽には入れました。少女時代の坂口さんもすてきでしたね。ラブシーンはどうしようか迷ったんですが、監督がうまく関係を作ってくださり、彼女が積極的になったことで、よりお互いのキャラクターが深くなりました」と振り返る。

 勝村にはもう一つライフワークというべき活動もある。MCを務めるテレビ東京のサッカー情報番組「FOOT×BRAIN」(毎週土曜、深夜0時25分)は今年で12年目を迎えた。

「番組には愛しかないですね。スタッフ全員、僕も含めてですけど、ただサッカーが好きで、気がついたら丸11年。今日収録したゲストが11歳の少年だったんですけど、『この子がこの番組だ。こんなに大きくなったんだね』と話していました。感慨深いものがありましたね」と話す。2年前にテレビ朝日「やべっちFC」、昨年にTBS「スーパーサッカー」が相次いで終了。「地上波ではこの番組だけになって、切ないんです」と切磋琢磨(せっさたくま)してきた戦友が消えたことを本気で残念がる。

 11月のカタール・ワールドカップは開催まで3か月を切った。日本代表はグループEでドイツ(11月23日)、コスタリカ(11月27日)、スペイン(12月2日)と対戦する。予選を突破し、決勝トーナメントに進めるか。

「もちろん突破してくれると信じています。最近『何言ってるの?』とよく言われるんですよ。でも僕らが信じなくて、どうする。どうせなら、最強の敵と戦った方がいい。初戦のドイツ戦が大事。ドイツにとっても初戦は緊張感もある。向こうから見たら、日本は勝たなきゃいけない相手。プレッシャーもあります。ブンデスリーガには、日本の選手はたくさんいますから、いいところも悪いところも理解していますから、勝機は確実にあると思っています」。

 ブンデスリーガには吉田麻也(シャルケ)、原口元気(ウニオン・ベルリン)、堂安律(フライブルク)、板倉滉(ボルシアMG)、長谷部誠(フランクフルト)、鎌田大地(同)、浅野拓磨(ボーフム)、遠藤航(シュトゥットガルト)、伊藤洋輝(同)

 予選リーグの戦績予想はズバリ1勝1敗1分。「ドイツに勝っていただき、スペインは引き分け、コスタリカには油断して負ける。『なんで、そこに負けんだよ』みたいに言いたいですね」と期待を込めた。

□勝村政信(かつむら・まさのぶ)1963年7月21日、埼玉県出身。近作の出演作としては、TV「元彼の遺言状」(CX)、「アノニマス~警視庁“指殺人”対策室~」(TX)、「ドクターX~外科医・大門未知子~」(EX)。映画「七つの会議」(19)、「地獄の花園」(21)、「マスカレード・ナイト」(21)など。MBSドラマイズム「闇金ウシジマくん 外伝闇金サイハラさん」(dTV/Netflixにて9月13日深夜2時~先行配信、MBS/TBSドラマイムズ枠にて9月20日深夜から放送スタート、MBS:毎週火曜・深夜0時59分、TBS:毎週火曜・深夜1時28分)を控える。

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