仮面ライダー最新作で主演 19歳の簡秀吉が描く“天下取り”までの道筋「芝居で人の心を」
俳優の簡秀吉(19)が令和仮面ライダー第4弾「仮面ライダーギーツ」で主人公の浮世英寿(仮面ライダーギーツ)を演じる。掴んだ大役に、「『天下人に』と事務所の社長が命名してくれた『秀吉』の名に恥じないよう、準備をして挑みたい」とやる気をみなぎらせている。
「芝居で人の心を動かしたい」、目標は大河主演中の小栗旬
俳優の簡秀吉(19)が令和仮面ライダー第4弾「仮面ライダーギーツ」で主人公の浮世英寿(仮面ライダーギーツ)を演じる。掴んだ大役に、「『天下人に』と事務所の社長が命名してくれた『秀吉』の名に恥じないよう、準備をして挑みたい」とやる気をみなぎらせている。(取材・文=西村綾乃)
「仮面ライダーギーツ」はさまざまな個性を持つライダーが、スリリングな生き残りゲーム「デザイアグランプリ」で競い合う物語。簡は白いキツネをモチーフにした「ギーツ」として立ちはだかる謎に挑んでいく。
「多数のライダーが、生き残りをかけた戦いを展開するのが今作の魅力です。僕が演じる英寿は、トリッキーで天才肌。根っこの部分は優しいけれど謎が多いキャラクターです。僕と英寿は自信家なところが似ています」
183センチのスタイルが映える黒いスーツの胸元には、ゴールドの蝶ネクタイ。白色のストールを揺らす姿に自信が満ちあふれている。
「僕は高校時代まで、ラグビーをしていたのですが、しっかり練習をしていないと試合に出られませんよね。僕は俳優の仕事も同じだと思っているんです。カメラの前に立つまでに、たくさんの準備をしなければ失敗してしまう。ギーツとして全うできるように、しっかりと準備をして1年間駆け抜けたいです」
打ち込んでいたと語るラグビーでは、関西大会で京都選抜にも選出される実力の持ち主。プロを目指していた時期もあった。
「元々スポーツ全般が大好きだったのですが、中でもラグビーに夢中でした。大学でもラグビーをやって、将来はトップリーグ(日本ラグビーの最高峰)の選手になりたいと考えていましたが、練習中にケガをしてしまい断念しました。ラグビー一色の生活を送っていて、将来については何も考えていなかった頃、遊びに行った東京でスカウトをされました。本当にこんなことあるんだなと家族に話したら『やってみたら』と背中を押され、いまの事務所に入ることを決めました」
「仮面ライダークウガ」(2000年)のオダギリジョー、「仮面ライダードライブ」(14年)の竹内涼真など多くのスターを輩出している仮面ライダーシリーズ。「歴史ある作品に携わることができて光栄」と気を引き締める。
「保育園の頃、夢中になって見ていたのが、佐藤健さんが演じる『電王』(07年)と、瀬戸康史さんが出演した『キバ』(08年)でした。10代最後の年に、憧れていたライダーへの出演が決まり、感慨深いです。出演が決まったことを母に報告したらすぐに、『調子に乗るな』とくぎを刺されました。一喜一憂していると先はない。いまの自分は、右も左も分からず、立ち振る舞いやあいさつの仕方など、注意されることも多い。でも注意をしていただいているうちが華だと思って、目の前にあるものに集中して、(最終回を迎える)1年後には、『簡にギーツを任せて良かった』と言っていただけるよう尽力したいです」
「芝居で人の心を動かせるように」を信条としている。
「目標は小栗旬さん。お目にかかったことはまだないのですが、『鎌倉殿の13人』など出演作品に関わられているスタッフの方の名前を覚えたり、座長として現場の士気を高められているところなど、役者としてはもちろん、人としても尊敬しています。僕はポンコツで抜けているところがあるので、(共演者から)『リラックスできる』、『和む』とは言われるのですが、主役としてみんなを率いる……というのは、まだまだ。和気あいあいとした現場なので、出演者が一丸となって記憶に残る作品作りができればと思っています」
印象的な「秀吉」という名は、所属事務所の社長が画数などを見て命名した。
「豊臣秀吉のように、天下を取れと名付けてくれました。秀吉って、1回聞いたら、忘れないですよね。インパクトがある名前に負けないよう、頑張りたいです」
「仮面ライダーギーツ」は9月4日、テレビ朝日系で毎週日曜日の午前9時から放送を開始する。
■簡秀吉(かん・ひでよし)2002年10月23日、京都府生まれ。高校時代にスカウトされたことをきっかけに芸能界入り。ドラマ「ナンバMG5」では生徒役を務めた。趣味はラグビー、野球。183センチ。