横浜・六角橋商店街に地響き ぐずる赤ちゃんを一瞬で泣き止ませた商店街プロレスの魅力
屋外のイベントが楽しい夏。今年は、花火や夏祭りなど3年ぶりに再開された各種イベントもある。
凶器乱舞のデスマッチが多い大日本プロレス
屋外のイベントが楽しい夏。今年は、花火や夏祭りなど3年ぶりに再開された各種イベントもある。
大日本プロレスでは毎年、一般社団法人横浜市商店街総連合会とタッグを組み、横浜市内の商店街で無料観戦の「商店街プロレス」を開催している。商店街プロレスはそれぞれの商店街が主催者となり、お祭り的な要素の強いプロレス大会。今年は8月6日に六角橋商店街で開幕し、各商店街で6大会が12月までゴングが鳴る。
普段は、凶器乱舞のデスマッチなど過激な試合もある大日本だが、商店街プロレスでは家族連れで楽しめる。観戦は無料とあって、初めてプロレスを見るという人も多い。
おっかなびっくり観戦しているうちに、だんだんと前のめりになって夢中になる子どもたち。「プロレスは久しぶりだなぁ~」と懐かしそうにリングを見つめる中高年男性。怖いのか、彼氏にしがみつく女の子。だが好みのタイプの選手がいたらしくじっと凝視し、ヤキモチをやいた彼氏がふくれるなど、リングサイドの人間模様もほほ笑ましい。
もちろん、商店街にかけつける熱心なファンもいるが、プロレスファンだけではない「いつもとは違う客席」だ。商店街プロレスで興味を持ち、お気に入りの選手ができて、会場に足を運ぶようになるファンもいる。まずは知ってもらうこと。これが一番大切だろう。
プロレス初観戦の際に観客が驚くのは「音」だ。受け身の音。地響きのような音にビックリするケースが多い。迫力が伝わり、手に汗握るようになる。
大日本の顔である、世界ストロングヘビー級チャンピオンの岡林裕二。そのブ厚い体、鬼気迫る闘いの表情はまさにド迫力。以前の商店街プロレスで岡林がトップロープからゴーレムスプラッシュで勢い良く飛んだ時、バーンというかドーンというか、その中間のようなものすごい音がした。
驚いたのか、それまでずっと泣いてぐずっていた赤ちゃんがピタッと泣き止んだ。目を丸くしてリングから視線を外さない赤ちゃん。また泣き出すかと思いきや、そのまま試合をじっと凝視。静かになったことにホッとした様子のお母さん。「泣く子も黙る」というが、まさにこのことか。
「え、そんなことがあったんですね。自分は試合しているから気がつかなかった。泣かれるよりいいです。泣き止んだ方が」と岡林は笑顔でピッサリポーズ。
岡林は明るい。まるで南国の太陽のような底抜けの明るさに、こちらまで元気になる。暑がりで汗っかき。拭いても拭いても、次々と汗が噴き出して来るが、夏バテ知らず。「暑いけど絶好調です! 体中、どこも悪いところはない」とノリに乗っている。
商店街プロレスから生まれた「横浜ショッピングストリート6人タッグ王座」の現40代チャンピオンの岡林。初代王者でもあり、なじみが深い。
大日本にはいろんなプロレスがある。デスマッチ、ストロング、そして商店街プロレスのような老若男女問わず楽しめるお祭り的なプロレス。1粒で2度おいしいではなく、1粒で3度おいしい。
「みなさま、商店街プロレスにも是非お越し下さい! お近くの方もそうでない方も。プロレス見て商店街で買い物して、楽しい一日を送りましょう! 選手一同お待ちしています。ピッサリ!」と岡林はアピールも忘れない。次回は8月26日、都筑区・えだきん商店街が熱く燃える。