Netflixのおすすめ“医療韓ドラ”5選 リアルな手術シーンにラブロマンスも

まとまった時間がとれるお盆休み。コロナ禍とあって自宅でNetflixのドラマを一気見する過ごし方もあるだろう。そこでオススメは韓国ドラマ。ラブコメやサスペンスが目立つが、医療ドラマの水準も相当高い。ここではNetflixで配信中の“中毒性の高い”医療ドラマ5作品を挙げてみた。いずれも日本のドラマでは描きにくいリアルな手術シーンに目を奪われる。医療ドラマというジャンルに収まらないとことんユニークな作品となっているので要チェックだ。

患者に真摯に向き合う医師を描いた「賢い医師生活」 【写真:(C)Netflix】
患者に真摯に向き合う医師を描いた「賢い医師生活」 【写真:(C)Netflix】

歴史上の名医、天才外科医、元不良医師…意表突くキャラ設定が魅力

 まとまった時間がとれるお盆休み。コロナ禍とあって自宅でNetflixのドラマを一気見する過ごし方もあるだろう。そこでオススメは韓国ドラマ。ラブコメやサスペンスが目立つが、医療ドラマの水準も相当高い。ここではNetflixで配信中の“中毒性の高い”医療ドラマ5作品を挙げてみた。いずれも日本のドラマでは描きにくいリアルな手術シーンに目を奪われる。医療ドラマというジャンルに収まらないとことんユニークな作品となっているので要チェックだ。

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○「医心伝心 ~脈あり! 恋あり?~」(17年)

 朝鮮時代の名医と呼ばれた鍼灸師のホ・イム(キム・ナムギル)は、昼は貧しい民を診る恵民署(ヘミンソ)で働く医官、夜は宮廷高官への秘密診療を行って荒稼ぎしていた。そんなある日、王の鍼治療に失敗し、罪人として矢で射貫かれたことで400年後の現代にタイムスリップ。偶然、エリート外科医のチェ・ヨンギョン(キム・アジュン)と出会い、治療方法を教えてもらおうと彼女にまとわり付くホ・イムだったが、ひょんなことから彼女と一緒に朝鮮時代に戻ってしまい、いつの間にかお互いの時代を往来するようになった……。韓国では鍼灸施術が民間療法として親しまれており、現代の韓方医も数多く登場する。同作の監督は「ドクター異邦人」「マイ・シークレットホテル」など多くの話題作で知られるホン・ジョンチャン。

 俳優キム・ナムギルが扮(ふん)したホ・イムは実在する歴史上の人物で、鍼灸術が発展していた朝鮮時代において“東方最高の神術”とまで称された。伝統医療と現代西洋医療、朝鮮時代に生きたホ・イムと現代の外科医チェ・ヨンギョンの苦悩と成長、互いの時代にはびこる権力者の横暴、命を救う迫真の手術など多くのエピソードを巧みに盛り込み、韓ドラの中でも格別なメディカルラブドラマに仕上がっている。今から5年前の作品とは思えないほどセットや描写は精緻を極めており見ごたえがある。ドラマ「女神降臨」でスターダムへと駆け上がった女優ムン・ガヨンがホ・イムの弟子マッケ役として男装で出演しているのも見どころ。韓国オリジナルタイトルは「名不虚伝(ミョンブルホジョン)」。「その名に恥じないこと」という意味で職業倫理についてどうあるべきか、をテーマとしている。ドラマのラストに登場するこの言葉が視聴者の胸を熱くするだろう。

○「浪漫ドクター キム・サブ」(16年)

“神の手”を持つぶっきらぼうで型破りの天才外科医キム・サブと、彼を師と仰ぐ若き医師たちの奮闘を描いたメディカルヒューマンドラマ。最新の医療機器がない地方の大学病院の分院に担ぎ込まれる患者たちが、キム・サブの手術によって命を救われる。幼い頃に父を亡くしたカン・ドンジュ(ユ・ヨンソク)は病院を恨んで暴れるが、そのときに出会った医師の言葉に心を動かされ、外科医を目指す。大学病院では先輩医師のユン・ソジョン(ソ・ヒョンジン)と出会い惹かれていくが、ソジョンは交通事故にあった後、失踪してしまう。5年後にドンジュは片田舎にある大学病院の分院に左遷され、そこにいたソジョンと再会を果たす。しかし、ソジョンは過去の医療行為がトラウマとなっており、トンジュの前で手首を切ってしまう。ソジョンの手首を手術したのが天才キム・サブだった。

 第1話冒頭からユン・ソジョンが患者の腹部切開を行い、脾(ひ)動脈の出血を人差し指で止める、という離れ業を見せるなど手に汗握る手術シーンの連続に圧倒される。手術の技術だけではなく、病院内での醜悪な権力闘争と医師の倫理観との衝突も盛り込まれるなど見どころ満載だ。主人公のキム・サブを演じたのが、大ヒット映画「シュリ」で知られる俳優ハン・ソッキュ。カリスマ性あふれる外科医、そして理想の上司としてのキム・サブの生き方に共感を覚えるはずだ。

○「賢い医師生活 シーズン1、2」(20年、21年)

 ソウル大学医学部出身の元同級生5人がユルジェ病院を舞台に医師として活躍するヒューマンストーリー。5人の専門は肝胆膵外科、脳神経外科、小児科、胸部外科、産婦人科で、院内でのさまざまな診療の様子を丁寧に描いていく。5人は真摯な姿勢で患者と接し患者に寄り添う。第1話では子どもを診察する小児科医がユーモラスに描かれる一方、脳腫瘍患者に放射線治療をすすめる脳神経外科医のシリアスな判断も登場する。昨今の医療ドラマにありがちな病院内での熾烈な権力闘争などは登場せず、その分、医師が患者にどう向き合うべきかといった根本的なテーマに焦点が当てられている。とびぬけた悪人も出てこないため、視聴者は安心してこのドラマにハマることができそうだ。

 また、各話の最後にはバンドを組んでいる主要キャスト5人の演奏シーンが登場する。韓国の懐メロから流行歌までレパートリーは広く、楽曲に込められた意味を考えてみるのも楽しい。脳神経外科医のチェ・ソンファはひどい音痴という設定だが、チェ・ソンファを演じている女優のチョン・ミドは実力派ミュージカル女優として知られている。そんな“ギャップ”にも遊び心が込められている。21年にはシーズン2が配信。肝臓移植や妊産婦の羊水量など診察シーンは詳細。患者に親身に寄り添う5人の姿がさらに丹念に描かれ、元同級生の間で発展する大人のロマンスも盛り込まれている。

○「ドクターズ~恋する気持ち~」(16年)

 元不良女子高生が一念発起して勉強に打ち込み、医師になる姿を描いたメディカルラブストーリー。母の死をきっかけに問題児となったユ・ヘジョン(パク・シネ)は、父に捨てられ祖母に引き取られてしまう。その祖母の家に下宿していたのは、転校先で出会った教師ジホン(キム・レウォン)。元医師のジホンは路上で倒れた妊産婦を救う。その姿を見て自分の進むべき道に気付いたヘジョンは猛勉強して自身の人生を変えようとする。しかし、友人関係がこじれ優しい祖母も失ったヘジョンは街から姿を消すことに。そこから物語は13年後に移り、止まっていた過去の人間関係が次々と動き出していく。

 昔も今もユ・ヘジョンの暴れっぷりがハンパない。抗争で大けがをしたマフィアのボスが病院に担ぎ込まれてくるシーンでは殴りかかって来る組員を次々となぎ倒す。女子高生時代もクラブで乱闘を起こすなどその腕っぷしの強さは尋常ではない。そんな武闘派女子が人生をやり直し、医師として人生を変えていく姿が感動的だ。高校時代の恩師ジホンはヘジョンの個性を尊重し受け止める。人生のやり直し、患者の命を救う意味、そしてラブロマンス……。視聴者の共感ポイントがぎっしり詰まった異色のドラマだ。

○「医師ヨハン」(19年)

“痛み”を緩和する麻酔科医が集うペインクリニックが舞台の医療ドラマ。原作は久坂部羊の小説「神の手」。日本でも19年にドラマ化されている。患者を10秒見ただけで体の状態が分かる“ドクター10秒”こと医師ヨハン(チソン)が天才麻酔科医として活躍する医療ヒューマンドラマ。事故に遭った父を救えず、医師としての自信を失ったカン・シヨン(イ・セヨン)は、失意のあまり韓国を離れようとするが、知人の依頼で矯正医官として刑務所でアルバイトをすることに。そこで囚人服姿のチャ・ヨハンと出会う。ヨハンは所内で発病した患者を診察し刑務所長からの信頼も厚い。ヨハンの指導で患者を救ったシヨンは再び病院に勤務することを決意。そんなシヨンの前に教授に就任したヨハンが白衣姿で現れる。

 韓国医療ドラマ史上初めて“痛み”にスポットを当てた意欲作。患者に対するヨハンの真摯な姿勢もさることながら、師弟愛や同僚の友情、難病患者へのケアと治療に向き合う葛藤などが繊細に描かれている。冷徹に見えるようで実は患者とその家族に寄り添うヨハンを演じたチソンの評価を高めた作品だ。

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