久保田紗友を緊張から救った重岡大毅の言葉 「雪女と蟹を食う」鍵を握るホステス役の22歳
ジャニーズWESTの重岡大毅が主演を務めるテレビ東京のドラマ24「雪女と蟹を食う」(毎週金曜、深夜0時12分)で、主人公・北と彩女(入山法子)が出会うホステス、マリア役を演じるのが、久保田紗友(22)だ。NHK連続テレビ小説「ぺっぴんさん」や「過保護のカホコ」で注目を集めた久保田にとって、地元・札幌での撮影はうれしい“凱旋”となったが、初日はものすごく緊張したという。
久保田紗友インタビュー、地元・札幌での撮影でうれしい“凱旋”
ジャニーズWESTの重岡大毅が主演を務めるテレビ東京のドラマ24「雪女と蟹を食う」(毎週金曜、深夜0時12分)で、主人公・北と彩女(入山法子)が出会うホステス、マリア役を演じるのが、久保田紗友(22)だ。NHK連続テレビ小説「ぺっぴんさん」や「過保護のカホコ」で注目を集めた久保田にとって、地元・札幌での撮影はうれしい“凱旋”となったが、初日はものすごく緊張したという。(取材・文=平辻哲也)
人生に絶望し、死を決意した青年・北が、謎めいた人妻とともに蟹を食べに北海道まで旅をする「雪蟹」。久保田が演じたマリアは北がふとしたきっかけで出会う札幌のホステス。その後の主人公2人の運命に大きな影響を与えることになる重要な役柄だ。
「作品は死生観をテーマにする中、いろんな欲望がむき出しになっているんですけど、ミステリアスな雰囲気や文学的な要素もあって、すごくすてきだなと思っていました。マリアは過去につらい経験があったからこそ、人に尽くしたり、優しくしてあげられる女性。芯は強いけど、実際はすごく繊細な心の持ち主で、かわいらしさもあって、魅力的なひとだなとは思いました」。
主演の重岡との共演シーンが多かったが、自身のクランクイン初日は重要なシーンから始まった。演出を手掛けたのは、Netflix「全裸監督」(2019年)や日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した「ミッドナイトスワン」(20年)の内田英治氏。実力派監督との初仕事にも緊張が走った。
「穏やかでチームワークのよい現場だったのですが、私だけがとてつもなく緊張していました。重岡さんはずっと多忙なイメージで、現場でも、『昨日の何時まで、別の仕事やった』とおっしゃっていて、いつセリフを覚えているのかなと思っていました。マリアとしてとても大事なシーンの芝居を、OKが出るまで何度も撮らなくてはいけなくなってしまったのですが、重岡さんが『大丈夫やで、何回でもやろう』と言ってくださったんです。本当にありがたかったですし、何度もトライをさせて下さった監督にも優しさを感じました。とても忘れられない日になりました」と振り返る。
ラブシーンもあったが、「私のシーンはそこまで生々しさを求められてはいなかったので、身構えることもあんまりなかったです。それより食事のシーンは私が失敗すると、重岡さんに何回も食べてもらわないといけない上、量も多くかつ勢いよく食べるシーンだったので、本当に失敗しないよう集中しましたね」。
ターニングポイントは高校進学で上京、一人暮らしで「覚悟を決めました」
札幌ロケでは実家に寝泊まりして、現場に通っていた。
「札幌で生きている人間を演じられるのはすごくうれしかったです。撮影する時間はそんなに多くはなかったんですけど、家族を近くに感じられる状況でお仕事するのはすごく新鮮で有り難かったです。見慣れている景色だし、安心感はすごくありました」
久保田は12年、ソニー・ミュージックアーティスツ主催の女優発掘オーディション「アクトレース」への参加がきっかけで、選抜されたグループ「劇団ハーベスト」に所属し、女優活動を本格化。以降、17年のNHK連続テレビ小説「べっぴんさん」や日本テレビ「過保護のカホコ」などで存在感を示した。
ターニングポイントは何だったのか。
「自分の気持ちとしてまず1つ目は、高校進学をきっかけに上京したタイミングです。高校は芸能コースのある学校だったので、周りの子たちが忙しくなっていくのが結構プレッシャーでした。いまだに役名で呼ばれることがあるのは『過保護のカホコ』です。マインド的にさらに変わったなと思ったのは高校を卒業してから。それまでは母と暮らしていたんですが、東京で一人暮らしを始め、この仕事をやっていくんだと覚悟を決めました。そして、今、周りの友達も就職し始めたので、職業は違えど、さらに頑張らなきゃと思っています」
本作は大人びた役だが、和太鼓女子の青春を描いた映画「藍に響け」や、美 少年×HiHi Jets競演のテレビ朝日ドラマ「トモダチゲームR4」では高校生役も数多い。
「普段の私はまだまだ幼い部分もありますが、顔つきは20歳を過ぎてから、変わったかなと思います。なので、高校生役をするときは普段の自分を出すことも多いですが、ちょっと抑えたりと役の性格によって変えています」
自身の性格はポジティブ。今後も「何をしなきゃいけないと決めずに、新しい自分を作っていけたら。敷かれたレールを歩くんじゃなくて、常にいろんなことに挑戦したいです。役者としても幅広くいろんな役を演じられたらなと思いますし、そのために私ができることをコツコツと努力しながらやっていきたいなと思っています」と飛躍を誓った。
□久保田紗友(くぼた・さゆ)2000年1月18日、北海道札幌市出身。12年に俳優デビュー。17年のNHK連続テレビ小説「べっぴんさん」で強烈な印象を残し、その後も日本テレビ「過保護のカホコ」、テレビ朝日「M 愛すべき人がいて」、TBS「オー!マイ・ボス!恋は別冊で」、MBS「ホリミヤ」など話題のドラマに出演。「ハローグッバイ」(17)で映画初主演を務め、その後も「サヨナラまでの30分」(20)、「藍に響け」(21)などに出演。