アイドルから実業家へ ゆうこすが明かす“ヒットの法則” 起業7年目、年商20億円突破
発売から1年で15万個も売り上げた話題のプロテイン「La protein」をプロデュースする「ゆうこす」こと菅本裕子さん。プロテインは続けられないと意味がない! と、カフェ感覚でごくごく飲める美味しさにこだわり、20~30代女性から支持を受けている。10代はアイドルとして活躍し、その後、「モテクリエイター」と名乗り、SNS上での情報発信、数々の女性向けのヒット商品を生み出した。今や、タレント、実業家などの顔を持つゆうこすさんが、社長業などについて語った。
10代はアイドルとして活躍 その後「モテクリエイター」としてヒット商品生み出す
発売から1年で15万個も売り上げた話題のプロテイン「La protein」をプロデュースする「ゆうこす」こと菅本裕子さん。プロテインは続けられないと意味がない! と、カフェ感覚でごくごく飲める美味しさにこだわり、20~30代女性から支持を受けている。10代はアイドルとして活躍し、その後、「モテクリエイター」と名乗り、SNS上での情報発信、数々の女性向けのヒット商品を生み出した。今や、タレント、実業家などの顔を持つゆうこすさんが、社長業などについて語った。(取材・文=平辻哲也)
「ゆうこすモテちゃんねる」はダイエット、美容整形、エステなど自らが悩んだこと、体験したことを素直に発信し、登録者数87万6000人を超える人気チャンネルになっている。「コメントは全部見ています。反響が大きいので、責任も感じますし、もし間違った発言やテロップがあったら、大事件なので、動画をアップする時は何回も何回も見返して、緊張しながらアップしていますよ」。
ゆうこすさんは2012年にアイドルグループ「HKT48」を脱退し、専門学校卒業後はニートも経験。15年、「ミスiD準グランプリ」を受賞し、翌年からSNS上で「モテクリエイター」としての活動を本格化。16年8月には株式会社KOSを設立し、現在は渋谷・神南にオフィスを構えている。「社員が25人くらい。ほかのスタッフも合わせると、40人くらいの方の人生を背負っているので、『炎上』はしてられないんです」。
起業して今年で7年目。昨年の年間売上は20億円を突破し、右肩上がり。そもそも起業家としての出発点は何だったのか。
「YouTubeを始めた頃は会社をやるなんて思ってなくて、途中から意識し始めた感じです。YouTubeの初期は全部、自分で編集していたんですけど、そうなると、他の時間が割けなくなってしまったので、動画編集者の方を雇いました。それから、イベントをやりたいので、デザインをどうしよう、デザイナーを雇おう、スキンケアを作りたいから、チーム10人ぐらい必要だなって……。そんなふうにやりたいことが増えていって、どんどん人が増えていったという感じです」
現在、個人としてはタレント・インフルエンサー、起業家としては、ライブ配信者(ライバー)の育成やマネージメント事業、ライバー事務所「321inc」の運営、スキンケアブランド「YOAN」、カラーコンタクトやプロテインなどもプロデュース。「後輩の育成をしていこうと思った瞬間、ガッと人が増えました。今は3000人が所属しています。みんなにも、『プロテインを飲んで』って言っていますね」と笑い。
モテクリエイターのゆうこすさんがテレビタレントとは違うのは、一切、ヘアメイク、スタイリストをつけないこと。「28年間、自分の顔、自分の体で生きているので、ここをよくしたら、かわいくなるみたいなポイントが分かっているので、自分がやるのが一番早いですし、安心感があるんです」。整形、ダイエットの経験も臆することなく伝えているが、「一番変わったのは自己肯定感が上がったこと。メイクの時間が『修正』ではなく、『デコレーション』の時間になって、人に見られるのが楽しくなりました」。
社員は7割が女性「子どもが生まれた際の福利厚生はしっかりと作っています」
アイドルから実業家になって、一番の大きな変化は責任の重さ。「グループ時代は責任がグループ、会社にあると思うんですけど、その責任が全部私に変わったことでしょうか。第一に社員とファンのことを考えるようになりました。もともとリーダーシップを取るタイプではなかったので、社員のみんなに助けられて、社長をやっています」。
社長として苦労したのは何か。「社員が辞めちゃうかもしれないというときです。そんな時に、どれだけ話を聞いてあげられるか。タレント社長だから、言いやすいところもあれば、言いにくいところもあるとは思うんです。そんなときは一度、人事の人に入ってもらったり、そのバランス感覚はなかなか難しいです」。
社員は7割が女性。「まだ子どもを産んだ社員はいないんですが、妊娠した場合、子どもが生まれた際の福利厚生はしっかりと作っています」。自身の結婚についても聞くと、「2、3年以内にはしようかなと思うパートナーがいるんです」とはっきりと口にする。
コロナ禍では、いろいろな企業がピンチに直面したが、会社はほとんど影響を受けることなかった。「プロテイン、カラーコンタクト、スキンケアも家の中で使うものだったから、それは奇跡的によかったのかな。カラコンは今、中国とか台湾でも売れているので、すごいんです。次は来年の頭にコスメを出しますが、商品としてはこれで一旦ストップかなと思っています」。
ゆうこすさんの姿は令和の時代の新しい女性の生き方だろう。最後に起業家を目指す次世代へのアドバイスもお願いした。「私もそうだったんですけど、若いうちは自分が一番できるし、自分1人でやった方が何でも早い。けれども、もっと遠くを見て、大きいものを作っていこうって考えると、やっぱり、組織作りが大事になってくる。確固たる、やりたいものがあるなら、大きな旗を振って、『私はこうなります』と言うことが大事だと思っています」。所属するライバーから、ゆうこすさんを超す存在が現れるか。その存在も楽しみにしているようだ。
□菅本裕子(すがもと・ゆうこ)1994年5月20日、福岡県出身。別名義「ゆうこす」。アイドルグループ「HKT48」を脱退後、自己プロデュースを開始し「モテクリエイター」という新しい肩書きを作り、2016年に株式会社KOSを創業。現在はタレント、モデル、SNSアドバイザー、インフルエンサー、YouTuberとして活躍中。著書に「SNSで夢を叶える~ニートだった私の人生を変えた発信力の育て方~」。
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