原田美枝子、47年ぶり朝ドラ「ちむどんどん」で共演の黒島結菜との“師弟関係”
女優の黒島結菜が主人公・比嘉暢子を演じるNHKの連続テレビ小説「ちむどんどん」(月~土、午前8時)。沖縄の本土復帰50年の節目に制作されたドラマで、沖縄料理に夢を抱いている暢子を中心にさまざまな魅力ある人びとが登場する。
房子は「かっこいいと思いながら演じています」
女優の黒島結菜が主人公・比嘉暢子を演じるNHKの連続テレビ小説「ちむどんどん」(月~土、午前8時)。沖縄の本土復帰50年の節目に制作されたドラマで、沖縄料理に夢を抱いている暢子を中心にさまざまな魅力ある人びとが登場する。
一流シェフを目指して沖縄から上京した暢子が、その味にほれ込みシェフ見習いとして働く場所が銀座のイタリアンレストラン「アッラ・フォンターナ」。その店のオーナーである大城房子を演じるのが、女優の原田美枝子だ。
房子は、戦後に屋台からスタートして銀座にレストランを築き上げた料理人として描かれている。厳しくも、暢子を料理人として、そして人として成長させたいと願う房子の姿は感動を生んでいる。
今回、房子を熱演している原田にインタビューを行い、その魅力に迫った。
洋風の店ながらきれいな着物姿で、常に落ち着き美しい佇まいを見せる房子。原田は、房子を演じるにあたり「かっこよくありたい」と考えているという。
「その当時は女性がオーナーとして働くということが大変だったろうと思います。結婚もしないで仕事だけして、風当たりは強かったと思うんです。そんな中で昭和を生き抜いて、銀座に大きな店を持つということがスゴイと感じるんです。愚痴を言ったりすることもせず、常に前を向いて生きているところがかっこいいと思いながら演じています」
そんな房子を演じるにあたって、着物がキーワードになったという。
「すごくうまくいったポイントに、着物を着たというところがあります。演出部からの提案でしたが、彼女はイタリアに修業に行って、外から日本を見た時に自分の故郷を何も知らないと考えたと思うんです。そこで、日本に帰ってきてから文化を大事にしないといけないと、着物を着るようになった。でも、旅館の女将のような雰囲気とは違い、ジャケットのように羽織を着ることにしたんです。それがすごくいいスタイルになったと思います」
今回、1975年に放送された「水色の時」以来の朝ドラでの演技となる原田。47年ぶりとなる出演に驚いたこともあったという。
「普段ドラマを見ていない友人からも、見ているよ、良い役だねと言ってもらえるんです。影響力の大きさを改めて感じました。なかなかこの年になると面白い役というのも少なくなるんです。やさしいお母さんやおばあちゃんという役が多くなって、それはそれで素晴らしいのですが、もっと自分が感じることを表現してみたいと思う時もあるんです。今回の房子を通して、いろいろな思いを見せることができるのがうれしいです。若い人に、房子を通じて大変なことやうれしいことを、自分の思いも込めてセリフで伝えることができるんです」
共演している黒島については、房子と同じく俳優の先輩として温かい目で応援しているという。
「大事なシーンを撮影した時に、黒島さんと演技についてもう少しこうした方が良いんじゃないかと話したんです。そうしたら、すぐに感じてくれてすごくお芝居が良かったんです。まさに、房子と暢子のような関係になったのがうれしかった。役と演じている自分たちがリンクしたような形になったんです。黒島さんはまっすぐなところが魅力的で、自分の中に持っているものはすごく強いんだと思うんです。これから彼女がどんな俳優になっていくのかなと楽しみです。房子が暢子を思う気持ちと一緒でわたしはずっと見ていくんだと思います」
ドラマだけでなく、俳優としても黒島と「師弟関係」を実現させている原田。今後も、昭和の強い女である房子を、凛々しく美しく演じて物語に彩りを与えていくだろう。