水野裕子、“怪魚ハンター”五大陸制覇の秘話 自己ベストは約3メートルの巨大魚

アスリートタレントとして多くの“筋肉系番組”に出演し、50超の競技に取り組んできた水野裕子さん(40)は、根っからの釣り好き。番組を通して、“怪魚フィッシング”で世界の巨大魚を釣った経験を持つ。興味を持った好きなことに“全力投球”の生き方に迫った。

巨大ピラルクを釣り上げた水野裕子。“怪魚フィッシング”で五大陸制覇の経験を持っている【写真:水野裕子さん提供】
巨大ピラルクを釣り上げた水野裕子。“怪魚フィッシング”で五大陸制覇の経験を持っている【写真:水野裕子さん提供】

足かけ4年で達成 「また海外の大物釣りにも行きたいです!」

 アスリートタレントとして多くの“筋肉系番組”に出演し、50超の競技に取り組んできた水野裕子さん(40)は、根っからの釣り好き。番組を通して、“怪魚フィッシング”で世界の巨大魚を釣った経験を持つ。興味を持った好きなことに“全力投球”の生き方に迫った。(取材・文=吉原知也)

 釣り好きの父の影響で、魚釣りは幼少期からやっています。芸能界に入ってプロフィル欄に「趣味は釣り」と書かせてもらっていて、それが地上波の釣り番組「THE フィッシング」(テレビ大阪)のレギュラー出演につながりました。

 さらに、「ザ・プレミアム 怪魚ハンターが行く!」(NHK・BSプレミアム)シリーズにお声がけをいただき、足かけ4年の出演で、五大陸を制覇させていただきました。今年でデビュー23年目ですが、キャリアを振り返る際にこれは1つやり遂げたと思うお仕事がいくつかあります。トリノ冬季五輪で現地キャスターとしてフィギュアスケートの荒川静香さんの金メダルを生で見て取材できたこと。それと、この番組です。

 番組では、さまざまな情報や人脈を駆使して釣りのメソッドを探求されている「怪魚ハンター」という肩書の方とご一緒させていただきました。淡水魚を狙うのですが、専用の道具があるわけではなく、試行錯誤しながらの挑戦の連続でした。

 一番印象に残っているのは、カナダ・フレーザー川でシロチョウザメを釣ったことです。大物の296センチで、あと4センチで3メートルだったのに…(笑)。私が最初から最後まで1人で釣りたいと言ってチャレンジしたのですが、めちゃくちゃ大変でした。釣るのにトータルで1時間ぐらいかかりました。15分かけて巻いた50メートル分を、魚にたった10秒で戻されるみたいな。それを繰り返して、ギリギリまで寄せて船を動かしてそのまま浅瀬に行くという形で、最終的に川に帰しました。もう腕が上がらなかったです。体全体で釣り竿を支えて踏ん張っていたので、腰も痛くなって。自分の中では、釣り上げた魚で最長です。それに、ファイトした時間も最長です。

 私は体を動かすことと同じぐらいに、生き物がすごく好きです。もともとは動物に関わる仕事がしたいと思っていたぐらいです。それに、子どもの頃からよく虫を拾ってきて、そう言えば、この間もクワガタを拾って家で飼い始めちゃったんですけど(笑)、友達の子どもにあげました。できるなら生き物と常に触れていたいと思っています。そんな私が、この番組を通して、アマゾンやアフリカに行ったり、インドネシアの熱帯雨林で過ごしたり、ネパールの山奥でキャンプ生活をしたというのは、考えられないぐらいの貴重な体験です。

 ナイル川も印象深かった。ウガンダとケニアがロケ地。これで五大陸制覇が実現しました。怪魚ハンターの武石憲貴さん、プロデューサーの方、カメラマンさんの4人で、現地で真夜中に飲んだんです。「いやあ、ここまでやったね」って。改めてロケを振り返ったら、野生のライオンもキリンもゾウも見るわで、すごいことをしたんだなと思って泣けてきちゃって。小学生の時の自分に「今、アフリカのサバンナの真ん中で、キリンさん、ゾウさん、ライオンさんを見て、ワニとカバに囲まれて、でっかい魚を釣ってるんだよ」と言っても、絶対に信じてくれないなと思って。本当にありがたいことと思っています。

「マダイが30匹にもなると、うろこだけでゴミ袋1袋分になります」

 釣りはもちろん今でも楽しんでいますよ。コロナ禍なので、ちょこちょこ近場に行くぐらいですが。プライベートの釣りは基本的には食べることを目的にしています。釣ってさばいて料理して、食べて楽しんでいます。一番好きな釣りですか? 国内では釣れないようなサイズの魚を腕が壊れるぐらいに格闘する釣りも好きですし、渓流で細い糸で釣ったり、船釣りもルアーもフライも、何でもやります。一番は言えないです。コロナが明ければ、また海外の大物釣りにも行きたいです!

 それに、コロナ禍で釣りがブームになっているようで、女友達から釣りをやってみたいと声をかけられることが多くなりました。最近よく行くのは、海上釣り堀です。女友達と行くにはちょうどいいです。ちょっと船に乗って釣り場に行くところもアウトドア感を楽しめます。でも釣れ過ぎちゃってさばくのが大変。5人とかで行くと40匹ぐらい釣れて。マダイが30匹にもなると、うろこだけでゴミ袋1袋分になりますから。

 ツイッターも自然体でやっています。もともとは理由がありまして、東日本大震災が起きた時、学び直しで栄養学を勉強するために地元・愛知の大学に入学するタイミングと重なりました。故郷に戻ったら、そこには何事もない感じの暮らしがあって。そのギャップに戸惑いを感じました。それで、被災地に何か支援をしなきゃと思って、そのツールとしてツイッターを始めたんです。ボランティアの人探しや物資を募る際に活用するためです。今となっては、ツイッターは個人の興味や活動を垂れ流しています(笑)。好きなバスケやゲームに食事など、自分の素の部分を投稿しています。

 体を動かすことが好きで、それがスポーツ番組の出演につながり、今があります。人生のスタイルは自然体といった感じでしょうか。いまはまだ気楽な独り身なので、自分の好きなことを好きなペースで、という生活がまだ捨てられないです(笑)。芸能活動においても楽しさや面白さ、奥深さみたいなものを、皆さんに共有できれば一番いいと思っています。

□水野裕子(みずの・ゆうこ)1982年3月8日、愛知県生まれ。グラビアを経て、スポーツキャスター・アスリートタレントとして活躍。2011年4月、修文大健康栄養学部に入学し19年3月に卒業。同年5月、国家資格「管理栄養士」の資格を取得。50を超える競技に取り組んだ中で、小学校時代から一筋のバスケットボールが一番得意。

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