格闘家の才賀紀左衛門は2度の結婚、離婚を経て、現在はシングルファーザーとしてまな娘とともに暮らしている。また現在の交際相手とは“事実婚”という形で生活を共にしている。33歳の個性派K-1ファイターに、結婚、離婚、そして家族について聞いた。（取材・文＝角野敬介）

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――シングルファーザーとして、7歳のお嬢さんと一緒に過ごす姿をSNSで頻繁に発信しています。どんな存在ですか。

「すごい大切な存在です。娘だけじゃなくて、一番最初の奥さんとの子どもの男の子、女の子も、めちゃくちゃそれはもう今の娘と同じくらい大切です。ただ、今の娘に関して自分が引き取って自分が育てているので、愛情もそうやし、感謝もめっちゃあります。自分も成長させてもらっています。“子育て”って漢字では書きますけど、子どもを育てるはずなんですけど、でも僕が出来た父親じゃないから、子どもに逆に育ててもらってるというか。娘に僕が逆に怒られるときもありますね。娘がいないところでも、ふとしたときに、こう出てくるんすね、娘の顔が。『これ娘が見たら、大丈夫かな？』とか、『これ娘に見られたらまずいよ』って思ったり、基本的に娘に見られても大丈夫な行動をとるようになりました」

――お嬢さん基準で行動、考え方が変わってきているんですね。

「はい。そうしたらだんだん自分の周りも変わってきて、自分が今まで付き合ってきた人たちがどんどん変わってきて。更にどんどん自分の考え方も変わって、今はもう前の自分とは全然違うなって。本当に、娘に成長させてもらってんなっていうのはありますね」

――どんなことで怒られますか。

「今日の朝も怒られました。僕に予定もあって、僕がちょっと今日服を脱ぎっぱなしにしてたんですよ。そしたら『パパー、脱ぎっぱなしじゃダメよ！』みたいな（笑）。今の彼女が妊娠中でお腹が大きいから、『脱ぎっぱなしはママが大変だからダメよ！』って。あとはご飯を食べているときも、食べ方が汚いとか、ひじつかないでとか、本当ふとしたときにすごい言われます。それもめっちゃかわいいなと思うし、娘に言われたから、ちゃんとしなきゃってすごい思いますね」

――2度の結婚、離婚を経験されていますが、それぞれの理由を教えていただけますか。

「難しいな……。でもまずそもそも、僕は結婚してくれた人にすごい感謝しているし、毎回毎回学びがあるなと思っています。付き合ってきてくれた人、結婚してもらった人から、指導してもらったというか、成長させてもらいました。最初の離婚に関してはもう本当に“100-0”で僕が悪かった。僕が本当にもう若すぎた。僕がもう自分のことしか考えていなかった。わがままで、もう遊び放題で……。本当に一番最初の奥さん、その家族に対して反省の気持ちしかないですね。申し訳ない。

　2人目の奥さんに関しても申し訳ないと思うことはいっぱいありますし、やっぱり2度目で感じたのは、どんな形でも自分に返ってくるんやなと感じました。それは特に学ばせてもらいました。自分の嫌なところとか、こうすると嫌なんやろなとか、僕が不愉快やなと思ったことは、極力したらダメやなっていうのはすごい思いました。特にそれは2度目のときに学びました。本当に今となっては感謝ばかりです。めっちゃ幸せになってほしいです」

――相手に対してはネガティブな気持ちよりもポジティブな気持ちが大きいのですね。

「“ええ子”やったなって、僕が言うのもおこがましいですけど……。それこそ正しい日本語とか、言葉の使い方とかも教えてもらった。前の奥さんって一見破天荒的やと思われがちですけど、言葉遣いとかはすごく気をつけていた。僕も言葉遣いが荒くてきつかったんで、すごく注意されました。それが今、子育てをするうえでもめちゃくちゃ学びになっています。ありがたいなと。そのお陰で自分は成長できた。あ、離婚理由でしたね……。最後は価値観の違いですね。いろいろなことを含めて」

――離婚歴のある男女が新たな出会いを経て、運命の相手ともう1度結婚に向き合うABEMAの恋愛番組「セカンドチャンスウェディング2」にスタジオゲストとして出演されました。視聴者にも離婚で悩んでいる人がいるかもしれません。アドバイスのようなものはありますか。

「今の時代、許嫁（いいなずけ）とかでもないと思うんで、自分の判断で結婚してるわけですよね。結婚する理由が例えば相手の性格なのか、お金持ちだからなのか、顔がタイプだからなのかとか理由はそれぞれあると思います。そこで離婚を考えるような状況になったら、自分がなんでこの相手と結婚したのかを見つめ直してほしい。そこで今の状況について、自分で自分に問いかけるようなイメージです。僕も最初の奥さんにはとことん、『離婚したくない！』って言い続けたけど、フラれた。2回目の奥さんは、話し合いで別れたっていう形だった。もちろん、相手ありきなんですけど、最後は自分の決断を信じることですね。他人って結局どれだけ仲良くても、24時間一緒にいるわけじゃないし、ずっと見ているわけじゃないですよね」

――現在の交際相手とは事実婚という形をとっているとお聞きしていますが、その理由を教えていただけますか。

「正直なところいろんな理由があって、それは一つじゃないんです。ただ1つ、僕の性格を見て彼女から言われたことがあって。籍を入れたら僕が安心して、またチャラチャラするやろって。僕って男としてすごい“ちょろい”から……。ちょっとお世辞を言われたらすぐ好きになるやろって言われて、だから安心できるようになったら（籍を入れる）って告げられています。

　彼女は娘のことは大好きやし、娘と彼女はもう結婚でどうのこうのとか、そんなんとかじゃない、深い絆がありますね。目には見えないですけど、本当に心と心で通じ合ってるというか、ちゃんとした絆が誰が見てもわかるんで、だから僕もそこは、娘と一緒に成長して、彼女に安心してもらえるようになりたいなっていうのはあります」

□才賀紀左衛門（さいが・きざえもん）1989年2月13日、大阪府堺市出身。K-1でデビューし、のちに総合格闘技にも挑戦。戦績は32戦21勝(4KO) 9敗2分。2011年に1度目の離婚。14年にタレントのあびる優さんと結婚。19年に離婚。現在は妊娠中の交際相手と事実婚。168センチ。58.5キロ。

■才賀はABEMAで毎週土曜日に放送中の「セカンドチャンスウェディング2」にゲスト出演（16日放送）する。同番組は離婚歴のある男女が新たな出会いを経て、運命の相手ともう1度結婚に向き合う、全員バツイチの男女10人の婚活リアリティー。MCはケンドーコバヤシ、益若つばさ、柏木由紀が務める。

　才賀が出演する「セカンドチャンスウェディング2」#3は以下から視聴可能。

　https://abema.tv/video/title/90-1684