マット界の“ディズニー王”を争う入江茂弘 笑顔で熱弁する海外遠征の魅力とは

「マット界一のディズニーファン」をアレクサンダー大塚と争う入江茂弘が海外遠征ロスに襲われている。

リングを離れれば優しい笑顔の入江茂弘【写真:柴田惣一】
リングを離れれば優しい笑顔の入江茂弘【写真:柴田惣一】

2016年が初めての海外旅行アメリカ遠征

「マット界一のディズニーファン」をアレクサンダー大塚と争う入江茂弘が海外遠征ロスに襲われている。

 入江が#STRONGHEARTS(SH)に加わったのも「海外遠征を軸に活動しようとしていたSHと入江の海外マットLOVEが一致したから」という説がまことしやかに流れている。

 ところが、コロナ禍によって、海外交流は難しくなってしまった。そのため、入江は年間試合数で上位にランクインする勢いで、日本のさまざまな団体に参戦。毎日のように各地を飛び回っている。

「いろんな街やリングで、違ったタイプの選手と試合ができる。それはありがたいこと」と、現在の闘いも気に入っている。とはいえ「海外マットの魔力も忘れられない」というのが入江なのだ。

 短期の海外遠征もそれはそれで楽しいのだが「できるだけ長い方がいい」と願っていたところ、9月半ばから10月にかけて、カナダからイギリスなど欧州に転戦するスケジュールが入った。「アメリカから入って、カナダから欧州に転戦する予定。今から、ウズウズしている」と入江の声が弾む。

 SNSで世界中のファンと繋がれた今では「初めての場所でも僕のことを知っていてくれる人もいる。海外では歓声も自由になっている。観客席からの声に、はまる」とこれまたニコニコ。日本の入江のファイトをチェック済みの海外のファンは「そのまま入江茂弘を受け入れてくれる。思う存分、暴れられる」と、そのテンションは上昇の一途だ。

入江茂弘には空港が似合う【写真:柴田惣一】
入江茂弘には空港が似合う【写真:柴田惣一】

 一方で「初めて訪れる土地で、自分のことなど、分からない人たちばかりの会場で闘うこともしびれる」という。全くゼロから入江茂弘を築き上げていく喜びも大きい。地元の選手とのサバイバル闘争に勝ち残り、拍手と声援を勝ち得ていく。かつての海外遠征のパターンも好物なのだ。

「生き残るために、いろいろと試す。ハマればいいけど、失敗することもある。自分でも知らなかった一面が、突然、顔を出すこともある。これだから、海外遠征はたまらない」といつになく饒舌な入江である。

 子どものころからプロレスラーになるのが夢だった。大阪プロレス・プロレス学校に入り、2008年に「でら名古屋プロレス」でデビュー。DDTで数々のベルトを獲得し、全日本プロレスなどでも大活躍。16年が初めての海外旅行アメリカ遠征だった。イリノイ州、オハイオ州はじめ米国各地をツアーした。「地元の選手の家にホームステイした。海外生活が大好きになった」と振り返る。

 その後も米国、欧州各国をいく度となく訪れた。各地でベルトも奪取している。「プロレスに言葉はいらない、と言うけどその通り。ファンとのやり取りもボディアクションで何とかなる。プロレスラーになって本当に良かった」と破顔一笑。

 海外での食事も全く問題がない。地のモノを何でもおいしくいただけるが、さすがの入江をしても口に合わなかったものもある。シンガポールでチャレンジしたトリの足には閉口。カンボジアの謎のヌードルも「どんな香草もいけるけど、このときの香りには参った」と珍しく顔をゆがめた。

 海外遠征の楽しみの一つがアメリカやパリのディズニーリゾート観光。忙しいスケジュールでも無理やり時間を作り出し訪れる。「くまのプーさんや美女と野獣など、何度、行っても新しい魅力を発見できる」と、プロレスを語るときの笑みと勝るとも劣らない笑顔が爆発した。

 海外遠征でエネルギーをチャージする入江。“ビースト戦士”入江茂弘の躍進が続く。

次のページへ (2/2) 【写真】激しいファイトで世界中のファンを熱狂させる入江茂弘
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