立ち技格闘技K-1のエース・武尊（K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST）が27日、都内のホテルで記者会見を行った。

　スーツ姿の武尊は「先日、天心選手と試合をさせてもらって、敗れてしまったんですが、東京ドームで超満員のお客さんの中で試合をさせてもらって、この試合を実現することができて、ああいう舞台で現役の間に最高な場所で最高な試合をさせてもらえたこと、本当に、ファン、関係者、天心選手、全ての人たちに感謝したいなと思っています。ありがとうございました」とまず感謝を口にした。

　さらに注目される自身の去就については、「僕も一つ決心することができて、負けた時は正直悔しさもあったし、これで終わりだなという気持ちもあったし、だけどやっぱ心のどこかでやり返したい気持ちもあったし、なんか本当に色々な気持ちになったんですけど、あの……この10年プロでやってきて、本当に僕のファイトスタイル的にも身体を酷使してきたし、公表してない部分でもけがに悩まされた部分もあって、それも含めて、今回一回格闘家として歩みをストップさせたくなって、休養させていただこうかと」と休養することを公表した。

　途中、涙をぬぐう場面もあった武尊、さらに休養の理由として、公表していなかった心身の不調を明かした。

「拳の怪我以外にも腰椎分離すべり症で、運動も、寝ることもできなくて、あと拳も、1回手術したんですが、完治せず試合をやるごとに腱の断裂があって、だましだましやっていた部分もあった。あとは膝の内側じん帯が損傷してしまっているのも数年前からあまりよくなかった」

　さらには「数年前から精神科にも通っていて、パニック障害とうつ病と診断されて、その部分は昔からでもあって、そことうまく付き合いながら今回の試合を迎えた。（試合が決まってから）1年くらい、決まるまでで言えば数年間。そこで自分の心が耐えられるのかというのもあったし、知らず知らずのうちに自分の心が壊れていくのを感じていて、今回の試合前にちょっと体調が悪くなった時期があって、その時に今の格闘家としての人生だけじゃなくて、これからの人生を考えた時にまずはいったんこれを治さないとこの後の人生が壊れてしまうなと思った。このタイミングで1回という部分も、心と体を治せるように休養させてもらって、最高の心と体で戻ってこれるように。これを公表する理由としても、同じように苦しんでいる人もいるし、心の問題だけじゃなくて、怪我もそうだし、同じけがで苦しんでいる人もたくさんいるので」と明かした。