【THE MATCH】那須川天心が武尊に判定勝ちで涙 46連勝でキック引退 武尊は3668日ぶり敗戦

メインカードではキックボクシング界の“神童”那須川天心(TARGET/Cygames)が“ナチュラルボーンクラッシャー”武尊(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)に判定勝利。ボクシング転向前最後の試合となった“世紀の一戦”を制し、デビューからの連勝を46(うちMMA4戦)に伸ばした。武尊は2012年6月8日以来、3668日ぶりの敗戦で戦績は40勝2敗。

那須川天心(右)が武尊に勝利した【写真:山口比佐夫】
那須川天心(右)が武尊に勝利した【写真:山口比佐夫】

「THE MATCH 2022」メインカード

格闘技イベント「Yogibo presents THE MATCH 2022」(2022年6月19日、東京ドーム)第15試合、58キロ、3分×3R、延長1R(ABEMAで全試合独占生中継)

 メインカードではキックボクシング界の“神童”那須川天心(TARGET/Cygames)が“ナチュラルボーンクラッシャー”武尊(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)に判定勝利。ボクシング転向前最後の試合となった“世紀の一戦”を制し、デビューからの連勝を46(うちMMA4戦)に伸ばした。武尊は2012年6月8日以来、3668日ぶりの敗戦で戦績は40勝2敗。

 これが最後の入場。真っ直ぐにリングを見つめている。その表情からは覚悟がうかがえた。ゴンドラに乗ると先にリングで待つ武尊を上から見下ろす。花道を歩くといつもの天心だ。花道の脇にいる観客に勝利を約束するかのように拳を向ける。まるで力をもらっているかのようだった。リングに上がると5万6399人からの歓声を一気に吸い込んだ。

“世紀の一戦”にふさわしい試合内容だった。天心は序盤からスピードを生かした攻めで武尊を苦しめた。

 1R、天心はまず左ストレートから入る。左ハイ、ジャブストレートと組み合わせていく。中盤に入るとジャブをコツコツと当てていった。その後も持ち味の飛び膝を見舞っていきながら、スピードのあるワンツーを当てていった。1R終盤にカウンターの左ストレートで武尊の顎を打ち抜き、ダウンを奪った。

 2Rも天心がジャブを当てていく。ボディーストレートも打ち分けていった。残り57秒で武尊がバッティング、天心の右目を襲い一旦試合はストップした。

 3R、天心のテクニックが冴え渡る。武尊の強打は当たらない。最後はアッパー、ストレート今までの集大成を武尊にぶつけた。判定が読み上げられると天心は涙。その後、武尊と言葉を交わすと、武尊からも大粒の涙があふれた。

 対戦までは長い道のりだった。二人の対戦の機運が高まったのは2015年。武尊の試合を観戦した天心が対戦をアピール。武尊も「組まれればやります」と応じた。

 そして17年、大みそかのRIZINでも天心はリング上から対戦を呼びかけた。18年には今度は武尊がK-1大阪大会後のインタビューで「時期は分からないが、僕は必ず実現させようと思っている」と言及。20年には天心が出場したRIZIN大みそか大会を武尊が観戦し、大きな話題となった。

 そして21年12月24日に対戦が決定。元々、ボクシングへの転向を宣言していた天心は「本来4月でキックボクシングを引退するはずだったのですが、この試合のために6月に引退を延ばしてやる。最後のけじめとして勝ってキックボクシングを引退しようと思っている」と発言していた。

 決定後も平坦な道のりではなかった。当初フジテレビが地上波生放送を予定していたが、5月31日に見送りを決定。両者は自身のSNSでも地上波放送を訴えていた。

○那須川天心のキックボクシング戦績

【2014年】

有松朝 1RKO
アレクサンドロ・ヒデオ 1RKO
九島亮 判定
キム・ジンミン 1RKO

【2015年】

藤本昌大 1RKO
村越優汰 2RTKO
鈴木真彦 1RKO
小笠原裕典 3RKO
内藤大樹 1RKO
マイク・アラモス 1RKO

【2016年】

マノリス・カリシス 判定勝ち
宮元啓介 2RKO
フレッド・コルデイロ 5R判定勝ち
タリック・トッツ 2RKO
リン・ビン 1RKO
村越優汰 5R判定勝ち
ワンチャローン・PKセンチャイジム 1RTKO

【2017年】

アムナット・ルエンロン 4RKO
ライアン・シェーハン 1RKO
ウィサンレック・MEIBUKAI 3RTKO
イグナシオ・カプロンチ 3RKO
浜本“キャット”雄大 2RKO
藤田大和 1RTKO

【2018年】

スアキム・シットソートーテーウ 5R判定勝ち
中村優作 2RTKO
ロッタン・ジットムアンノン 5R、延長1R判定勝ち
堀口恭司 判定勝ち
内藤大樹 1RTKO

【2019年】

フェデリコ・ローマ 3RKO
フリッツ・ビアグタン 3RTKO
マーティン・ブランコ 2RKO
スアキム・PKセンチャイムエタイジム 3RTKO
志朗 判定勝ち
江幡塁 1RKO

【2020年】

笠原友希 1RKO
皇治 判定勝ち
裕樹 2RTKO
クマンドーイ・ペットジャルーンウィット 判定勝ち

【2021年】

志朗 判定勝ち
鈴木真彦 判定勝ち

【2022年】

風音 判定勝ち

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