「キングオブコント2021」王者のお笑いコンビ「空気階段」水川かたまりが、22日からフジテレビで3夜連続で放送されるオムニバスドラマ「脚本芸人」で脚本を務める。芸人として憧れの存在である「かもめんたる」岩崎う大への思いやピン活動について話を聞いた。（取材・文＝中村彰洋）

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　今回、第1夜を吉住、第3夜を岩崎が務め、第2夜を水川が担当する。実力派コント師が勢ぞろいし、芸人が脚本をリレー形式で作成するという新たな試みとなるが、「めちゃくちゃうれしかったです」と喜びを口にする。

　水川が担当する第2夜のメインキャストは遠藤憲一と知念侑李（Hey! Say! JUMP）が担当するが、脚本執筆時にはキャストが誰になるかを知らなかったという。普段は相方である鈴木もぐらをイメージしながらのネタ執筆となるが今回はその点でも異なる部分があった。

「割とかっちり台本で伝わるように意識しました。コンビでコントをするときは割とふわっとさせて後はお任せ、そのキャラクターを演じる延長線上で出てきたものを取り入れることが多いです。今回は、誰が演じるのかが分からないまま、全部台本の中で完成させなくてはならなかったので、意図を伝える難しさがありました。お会いして伝えることもできなかったので、そこが逆に楽しみな部分ではありました」

　今回は、芸人として憧れの存在でもある岩崎と肩を並べての“共演”。「めちゃめちゃ尊敬していて、芸人の先輩の中でもう大さんが1番緊張しちゃうんですよ」と強張った笑顔を浮かべる。

　コントやライブネタについては「かもめんたるさんの影響はめちゃくちゃある」と明かす水川。「誰も通ってない道を行く。そんな細い道に行くの？　って方向に進んで、全然知らないところに着地するんです。得体の知れなさや本当に人間を面白がっている感じの視点がすごく好きです」と絶賛だ。

　この日は岩崎・吉住と3人そろっての仕事となったが撮影中や取材中も終始ローテンション。「とにかく全員、声が小さいなと思いましたね（笑）。僕は吉本興業で、元気にしゃべるときは元気にしゃべるという技術を10年間で身につけたつもりだったんですけど、声が小さい2人といると自分もやっぱり声が小さいままなんだっていうのを再認識しました。2人には何を言っても見透かされそうな感じがします」と不思議な空気感を振り返った。

　最近では、空気階段としての仕事のみならずピンでの仕事も増えてきた。「ありがたいですね。コンビでやりたいことがあって、個人個人でやりたいこともあるので、個人でのお話をいただけるのであれば、楽しんでやりたいですね」と前向きだ。

　一方で鈴木とピン仕事について会話することはない。今回の「脚本芸人」についても「知らないと思いますし、見ないと思います」と笑う。

　今後もドラマや映画の脚本については「そういう経験をさせてもらえるならやりたいです」と口に。一方で「コントに何か影響するようなことがあるといいなと思います」とコントという軸はブレない。しかし、「1番はサッカー番組をやりたいです。サッカーを見に、ただで海外に行きたいです」と“サッカー少年”の笑顔ものぞかせていた。

□水川かたまり（みずかわ・かたまり）1990年7月22日、岡山県出身。2012年、鈴木もぐらと「空気階段」を結成。21年「キングオブコント2021」優勝で大ブレーク。22年6月22日から放送のフジテレビ3夜連続ドラマ「脚本芸人」を担当。