【週末は女子プロレス♯53】超過酷な海外遠征先で知らされた対戦カード 坂崎ユカ、中島翔子とのタイトル戦に気合い

東京女子プロレス5・3後楽園ホールの第1試合(11時30分大会開始)で、坂崎ユカはタイトルマッチを行っていた。瑞希とのマジカルシュガーラビッツで保持するプリンセスタッグ王座防衛戦だ。本来ならメインイベントかセミファイナルに組まれるべきビッグカードだが、オープニングマッチ登場には理由があった。この日、坂崎は海外遠征に出発、当日午後3時の便でアメリカに向かわなければならなかったのだ。

気合い十分の坂崎ユカ【写真:新井宏】
気合い十分の坂崎ユカ【写真:新井宏】

6・12サイバーフェスでプリンセス王座 中島翔子に挑戦

 東京女子プロレス5・3後楽園ホールの第1試合(11時30分大会開始)で、坂崎ユカはタイトルマッチを行っていた。瑞希とのマジカルシュガーラビッツで保持するプリンセスタッグ王座防衛戦だ。本来ならメインイベントかセミファイナルに組まれるべきビッグカードだが、オープニングマッチ登場には理由があった。この日、坂崎は海外遠征に出発、当日午後3時の便でアメリカに向かわなければならなかったのだ。

 乃蒼ヒカリ&角田奈穂組の初挑戦を無事に退けたマジラビ。しかし、坂崎の姿はまだ会場にあった。才木玲佳の引退セレモニーを見届けるためだ。坂崎と才木は2017年7月に東京プリンセスカップ優勝を争い、翌月にはリーグ戦覇者の才木が坂崎を破りプリンセス・オブ・プリンセス王座を初戴冠。筋肉アイドルのブレークに、東京女子と坂崎は欠かせない。だからこそ、坂崎はプロレスラー“れーたん”の有終の美を確認、新しい道への出発を自身の目に焼き付けておきたかったのだ。

 才木のエキシビションマッチ、セレモニーが終わると、坂崎は猛ダッシュで会場を飛び出し羽田空港へ向かった。リアルに綱渡りな移動である。「行く前からドキドキしていましたね。と同時に、第1試合のタイトルマッチでエンジン全開な感じで突っ走っていけたので、勢いづいてテンション高いままいけたと思います。よく間に合ったなあとも思いますけど(笑)」。

 AEW(オールエリートレスリング)への登場は、昨年7月以来。旗揚げ以降何度も参戦しており、すでに準ホームのような感覚もあるという。それでも他団体、海外での試合はやはりいつもと刺激が違う。東京女子では基本的にファンが応援してくれるが、海外では常にポジティブな声援が送られるとは限らない。「一歩間違うとホントにヒートもらうし、実力が足らなかったら素直な反応が返ってくるので、自分の実力を知る場所かなって感じがしますね」。不定期ながら何度も試合を行っているだけに、成長具合を知るバロメーターにもなっているようだ。

 今回のAEW参戦で、坂崎は4試合を行った。渡米前から知らされていたのは初日のカード(VS里歩)のみ。あとはタッグ&6人タッグで、カードはすべて会場で当日知らされた。そんな状況下の滞在中、6月12日におこなわれる「サイバーファイトフェスティバル2022」さいたまスーパーアリーナ・メインアリーナ大会、カード決定の連絡を日本から受けた。

 サイバーフェスはサイバーファイト傘下のNOAH、DDT、東京女子、ガンバレ☆プロレスが一堂に集うプロレス・フェス的ビッグイベントで、昨年に引き続き2年連続の開催だ。昨年は東京女子のプリンセス王座戦がNOAHのGHCヘビー級王座戦、DDTのKO-D無差別級王座戦とともに組まれ、三大メインイベントの先陣を切った。東京女子のエース山下実優に、旗揚げメンバーでもある坂崎が挑戦。この試合内容から、東京女子の知名度は飛躍的にアップした。が、王座奪回ならずの坂崎は試合後、山下に強烈な張り手を見舞いぶぜんとした表情で退場。エンディングでは三大王者がステージ上に勢ぞろいし大団円も、坂崎はその光景を悔しい思いで見つめるしかなかった。負けた以上に、もっとできたはずと考えていたからだ。

「自分自身、やりきれなかった部分があります。(会場全体の)幸せな気持ちよりも、悔しい気持ちの方が大きいですね。いまでも夢に見るくらい、消化できていない試合ではありますね」

次のページへ (2/3) 王座挑戦は昨年のサイバーフェス以来1年ぶり 2年連続の同大会のメインカード
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