格闘技のメガイベント「THE MATCH 2022」は6月19日、東京ドームで開催される。キックボクシングの“神童”那須川天心と、“ナチュラル・ボーン・クラッシャー”武尊の「世紀の一戦」をメインに、RISE、K-1の両団体が誇るトップファイターがズラリと勢ぞろいする。「ENCOUNT」では出場選手へのインタビューを実施。カウントダウン連載で紹介する。第3回はK-1スーパー・バンタム級王者の金子晃大（三軒茶屋シルバーウルフ）。RISEバンタム級王者の鈴木真彦（山口道場）と対戦する。

　軽量級離れした激しい強打のぶつかり合いが見られそうだ。ニヤリと笑いながら、金子は「かみ合うんじゃないですか。打ち合いになってもいいし、一方的になってもいい。東京ドームに衝撃を与えますよ」と断言した。

　ここまで15戦して14勝。うち8つがKO。現在5連勝中と勢いに乗っている。表情はクールで、しゃべる口調もひょうひょうとしているが、リングに上がれば豹変。激しく打ち合う激闘型だ。

「覚悟は元々ヤバいんすよ。この試合だからとかじゃなくて。リングに上がって試合をするっていう覚悟は、対抗戦だからというわけじゃなくて、普段からすごくある。とりあえず目の前の相手をぶっ倒す。楽しみにしているファンの期待には応えたい意識はある」

　対戦相手の鈴木もRISEの王者で、高いKO率を誇る。もちろんK-1を背負うという意識はある。だが、この舞台だからいつもより気持ちが入るわけじゃない。いつ、いかなる時も目の前の相手を沈めることだけに集中している。

　軽量級離れしたパワーは、特に最近になって際立ってきた。いかにして身に着けたのか。

「トレーナーとの息があってきたというのはありますね。パワー自体は本当についたのかなって感じなんですよ」と首をひねりながらも、至って真剣な表情でこう続けた。

「卵を食べるようになったんですよ、1日3個くらい。筋肉にいいと聞いて。前は飯とかも適当だったんですけど。だから卵で作ったと思うんですよね。変わったといえばそれくらいなんです」

　東京ドームでの“卵パワー”さく裂に期待がかかる。

「自分が東京ドームでやるということに感じるのは、お客さんを満足させたいということ。そのためには技術もですがパワーも大事だと思う」

　超満員の中で見せたいものがある。「バチバチの打ち合いは楽しみ。前にくればくるほど相手の被弾の率が上がる。自分の攻撃が当たれば相手は倒れるんで」と自信満々だ。

　お手本はボクシングの元5階級制覇王者ノニト・ドネア（フィリピン）。「派手に倒す。技術もあるんで。動きとかは見ますね。格闘技を始めたばっかりの時にYouTubeでドネアを見つけて、よく知らなかったんですけど見るようになりましたね」。“フィリピーノフラッシュ”の異名をとる名手も参考に、自身もKOの山を築くようになった。

　ヤフー知恵袋で「いいジム」を調べて見つけたのが今のジムだったという逸話も「本当です」と笑った。「マジで格闘技を知らなくて……魔裟斗さんの名前は聞いたことありましたけど。結果として、入ってよかったですね」。

〇…ENCOUNTではインタビュー実施選手に天心―武尊を予想してもらった。

　金子の予想「わかんないっす。難しいです」。

「難しすぎてわからないです。軽々しく言えない。楽しみですね。どんな感じなんだろうなって」

□金子晃大（かねこ・あきひろ）1997年1月29日、千葉県習志野市出身。2016年にデビュー。18年にKrush王座獲得。19年からK-1参戦。22年2月第3代K-1スーパーバンタム級王座を獲得。14勝（8KO）1敗。171センチ、55キロ。