関東が梅雨入り コックさんの絵描き歌、6月6日は雨が多い? 過去61年間を検証
気象庁は6日、関東甲信地方が「梅雨入りしたとみられる」と発表した。昨年より8日早く、平年より1日早い梅雨入りとなる。6月6日といえば、「6月6日に雨ざあざあ降ってきて」のフレーズで有名な「かわいいコックさん」の絵描き歌がある。今日は全国的に雨のところが多いが、実際に6月6日は雨の日が多いのか。過去61年間の天気を検証してみた。
気象庁は6日、関東甲信地方が「梅雨入りしたとみられる」と発表した
気象庁は6日、関東甲信地方が「梅雨入りしたとみられる」と発表した。昨年より8日早く、平年より1日早い梅雨入りとなる。6月6日といえば、「6月6日に雨ざあざあ降ってきて」のフレーズで有名な「かわいいコックさん」の絵描き歌がある。今日は全国的に雨のところが多いが、実際に6月6日は雨の日が多いのか。過去61年間の天気を検証してみた。
知らない人は少ないと思うが、「かわいいコックさん」とは東京発祥のわらべ歌。「棒が一本あったとさ」から始まる歌詞通りに絵を描いていくと、葉っぱ、カエル、アヒルを経て、あっという間にかわいいコックさんができあがるという絵描き歌になっている。「6月6日に雨ざあざあ降ってきて」はコックさんの両腕を描く場面に充てられている。
今回検証に使用したのは「goo天気」。日付や場所を指定すれば、統計のある1961年以降の過去の気象情報を一覧できる。「かわいいコックさん」の歌が東京発祥ということで、「6月6日」「東京」で検索をかけると、過去61年間の天気がズラリ。一つ一つ、降水のあった日を計測していく。
結論から言うと、1961年から2021年までの61年間で、9時・12時・15時を通じて傘マークのあった日は17日。0.5ミリ以上の降水量があった日は24日という結果となった。気象庁が「ザーザーと降る」と表現するやや強い雨の基準は1時間雨量で10~20ミリ。1日を通じて10ミリ以上の降水があった日は11日だった。
61年間のうちの11日は、果たして多いのか少ないのか。「はい、こちらお天気相談所」などの著書がある気象予報士の伊東譲司氏は「統計的に特に晴れや雨の多い日を特異日といい、11月3日の文化の日は晴れの特異日で有名ですが、これはあくまで統計上のデータで科学的な根拠があるわけではありません」と説明する。東京管区気象台が発表している天気出現率では、1991年~2020年の統計期間で6月6日は晴れ40%、曇り20%、雨40%となっている。6月では30日が最も雨の出現率が高く56.7%、年間では10月1日が最も高く63.3%だった。
結果的には6月6日が特に雨が多い日とは言えなさそうだが、興味深い発見もあった。「かわいいコックさん」はわらべ歌で作詞作者ともに不詳だが、1964年から65年にかけてNHKの「うたのえほん」で放送されたことで全国的に有名になった経緯があるという。1964年6月6日は38ミリの大雨。歌のフレーズと実際の天気がピタリと一致したことから、これだけ広く人々の記憶に刻まれたということはないだろうか。年々豪雨災害が起こるこれからの季節。絵描き歌も一つの教訓として、備えを万全にしたいところだ。