28歳で日テレ新事業社長に就任 入社前から描いていた起業プラン、慶大卒代表の素顔
日本テレビは、VTuber事業をスピンオフする形で新会社「ClaN Entertainment」(以下ClaN)を4月1日に設立した。代表取締役社長には大井基行氏が就任。28歳という若さで社長に抜てきされた大井氏の素顔に迫った。
日本テレビ新会社「ClaN Entertainment」代表取締役社長・大井基行氏インタビュー
日本テレビは、VTuber事業をスピンオフする形で新会社「ClaN Entertainment」(以下ClaN)を4月1日に設立した。代表取締役社長には大井基行氏が就任。28歳という若さで社長に抜てきされた大井氏の素顔に迫った。(取材・文=石井宗一朗)
同社は「人生を変える、エンターテインメントを」というビジョンを掲げ、VTuberやYouTuber、TikTokerなどインフルエンサーに特化したエンターテインメント企業。仮想空間におけるバーチャルコンテンツを中心に、番組やイベントなどを制作するプロダクション事業、インフルエンサーの活動をサポートするネットワーク事業を展開する。
大井氏は2018年、社内ベンチャーとしてVTuber事業「V-Clan」を立ち上げ、責任者として事業運営を行うほか、「プロジェクトV」など多数の番組やイベントのプロデューサーも務めてきた。こうした実績はあるものの、入社から5年後に社長就任。不安はなかったのだろうか。
「『あなたは社長です』と突然言われたわけではないんです。最初から、“会社を設立する=私が社長になる”だったので、その前提で半年間ほど準備をしていました」。ClaN設立は、大井氏が社内事業の法人化を提案したこともあり実現したもの。不安よりも「やっとこれでスタートラインに立てる」という安心感があったという。
また、28歳で社長になるということには、「早いと思わない」とキッパリ。「30歳手前のラストチャンス」という気持ちだった明かす。では、大井氏にとって“社長になること”はどういう意味を持つのか。
「ゴールでもないですし、あくまでできることの幅が広がるだけの“肩書”でしかないです。そこで結果を出すしかないという中で、『やっと正式に決まった』という安堵と、『これからこの立場で責任を持って、きちんと事業を拡大していかないといけない』という身が引き締まる思いがありました」
入社前からこうした起業プランは、「1つの形」としてイメージしていたという大井氏。いざ形になったとき、困らないように準備はしていた。「社長になったからといって自分は変わりません。就任前から事業責任者で、チームをつくって推進してきました。なので箱が社内事業というものから会社に変わるだけで、自分の役割は基本的には変わらないと思っています」。