中村倫也&宇佐美パトリック、MMAの超逸材を擁するLDHの戦略 RIZIN参戦の可能性は?

「EXILE」などが所属する芸能事務所LDHが仕掛ける、ライブと格闘技が融合した新たなイベント「POUND STORM(パウンドストーム)」が24日、両国国技館で開催される。日本MMA界の“超新星”中村倫也(EXFIGHT /LDH martial arts)がメインを務め、ボクシングから転向し、3戦3勝の宇佐美正パトリック(同)も出場。両者とも日本を飛び越え、世界への意識を口にするが、その可能性について身近で指導する人物に聞いた。

UFC目指す逸材・中村倫也(右)の素質に太鼓判を押す高谷氏
UFC目指す逸材・中村倫也(右)の素質に太鼓判を押す高谷氏

MMA界で広がる「世界との差」をどう縮めていくのか

「EXILE」などが所属する芸能事務所LDHが仕掛ける、ライブと格闘技が融合した新たなイベント「POUND STORM(パウンドストーム)」が24日、両国国技館で開催される。日本MMA界の“超新星”中村倫也(EXFIGHT /LDH martial arts)がメインを務め、ボクシングから転向し、3戦3勝の宇佐美正パトリック(同)も出場。両者とも日本を飛び越え、世界への意識を口にするが、その可能性について身近で指導する人物に聞いた。(取材・文=角野敬介)

 2人とも世界を意識させてくれる逸材だ。レスリングでU-23世界選手権優勝経験を持つ中村。宇佐美はボクシングで高校6冠を達成した。ともに東京五輪出場が期待されたが、夢破れMMAに転向。以降、中村は2戦2勝、宇佐美は3戦3勝と破竹の快進撃を続けている。

 国内のMMA界もRIZINを筆頭に、近年大きな盛り上がりを見せている。だが2人が口にするのはあくまで世界、UFCだ。LDH martial arts代表取締役CEOの高谷裕之氏がその真意について明かす。

「日本の格闘技自体が一緒に盛り上がっていけばいいなと。まず(中村)倫也に関しては世界で活躍している相手を倒していかないと、当然世界的に評価されない。そこで世界の選手を呼んでキャリアを積ませたいと考えました。目標に掲げているUFCに真っ直ぐ評価される相手と闘わないと前進しない。必然的に海外で活躍している強い相手へオファーする、ということになりました」

 24日、中村はメインでブラジルのアリアンドロ・カエタノと対戦する。キャリア2戦の選手では考えられないレベルの相手が用意された。

 仮に中村にRIZINから参戦オファーがあったらどうなのか。「考えますけれど、本人の意向と、UFCに行くために良い相手なら出るということもあると思います」と高谷氏。

 国内のMMAは盛り上がってはいる。だが、世界との差が縮まったかとは言えばそうではない。むしろ高谷氏は「差は広がっている」と危機感を募らせる。そんな中でUFCは軽々しく口に出せる目標ではない。

 それでも、中村には期待したくなるポテンシャルがある。高谷氏は言う。

「レスリングで世界を獲っている。UFCもレスリング出身の選手が多い。そこでも引けを取らないような実績を持っている。あとはグラップリングと打撃を仕上げていけばと思います」

次のページへ (2/2) 日本と世界との差とは?
1 2
あなたの“気になる”を教えてください