カズレーザーが「日本で5本の指に入る面白さ」と絶賛 ブレーク狙う37歳ピン芸人の素顔
芸歴18年の街裏ぴんくは、唯一無二の「架空漫談」でブレークを目指している。今年2月には、ピン芸人日本一決定戦「R-1ぐらんぷり」の出場資格がない芸歴11年目以上の芸人による「Be-1グランプリ」に出場。見事にグランプリを獲得した。体重110キロ、スキンヘッドの風体で奇想天外なストーリーを展開。同世代のカズレーザーに「日本で5本の指に入る面白さ」と言わしめた37歳の素顔に迫った。
「架空漫談」に徹する街裏ぴんく、ビートたけしの影響も
芸歴18年の街裏ぴんくは、唯一無二の「架空漫談」でブレークを目指している。今年2月には、ピン芸人日本一決定戦「R-1ぐらんぷり」の出場資格がない芸歴11年目以上の芸人による「Be-1グランプリ」に出場。見事にグランプリを獲得した。体重110キロ、スキンヘッドの風体で奇想天外なストーリーを展開。同世代のカズレーザーに「日本で5本の指に入る面白さ」と言わしめた37歳の素顔に迫った。(取材・文=柳田通斉)
Be-1グランプリの決勝。街裏は「温水プールに行ったら、水中に石川啄木がいたんですよ~」と叫び、「ホンマですよ~」と訴えた。そして、「プールサイドには川端康成がいるじゃないですか。どうなってんの。このプール~」と続けた。もちろん「架空の話」。観客は分かっていながら、街裏のオーバーなアクションとストーリー展開に引き込まれ、笑い続けた。
結果、街裏はグランプリを獲得。自身にとって初めてのタイトルで「出場したおじさん(芸人)全員の目がきれいでした。愛に満ちていました。そんな美しい大会に出場できたことを誇りに思います。一生、芸人をやっていきたいです」と笑顔を見せた。
「架空漫才」にたどり着いたのは、2015年。動画で、ツービートの漫才を見たこともきっかけだった。ビートたけしが、「クラスに顔がデカい奴がいて、運動会でヨーイドンって鳴ったら、1秒でゴールをしたんだよ。顔がデカいから」としゃべる姿を目にし、街裏は「こんなん、好きやわ~」と思い、架空漫談に徹することにした。そうして積み上げたネタは約400本。そのうち、110本以上を自身のYouTubeチャンネルにアップし、「ホイップクリームが流れる滝に行ってきました! 富山県の小矢部市にあるんですけどね」と熱弁するなどしている。
もっとも、主戦場はお笑いライブだ。独演会に加え、さまざまなライブに出演している。ファンもついて、350人規模のホールで行う独演会は満席になる。そして、17年、脚本家の鈴木おさむ氏がブレーク前の芸人を取り上げるBSフジ「冗談手帖」で「面白さは番組史上、NO.1。第2の鶴瓶」と絶賛。20年には、同世代のカズレーザーがフジテレビ系情報番組「とくダネ!」で「日本で5本の指に入る面白さ」と、街裏を紹介して話題になった。
「カズレーザーは『本当に1回、YouTubeを見てください』と言ってくれました。うれしかったです。反響はすごくて、アクセスも増えました。今でも感謝しています」