eスポーツ普及で小学生も来店 新大久保「e-sports cafe」に見る“文化”の浸透度
東京都新宿区、JR新大久保駅から徒歩1分の立地にある「e-sports cafe(ESC)」に足を踏み入れると、ほぼ満員の店内ではユーザーたちがゲーミングPCを使い、「Apex Legends」や「VALORANT」など、さまざまな競技タイトルを楽しんでいた。日本における同業種の草分けのような存在として、どのような道を歩み、eスポーツの盛り上がりに伴ってどんな変化が生まれているのか、店長を務める河井政俊氏に聞いた。
新大久保駅から徒歩1分「e-sports cafe」 eスポーツ隆盛に伴う変化は?
東京都新宿区、JR新大久保駅から徒歩1分の立地にある「e-sports cafe(ESC)」に足を踏み入れると、ほぼ満員の店内ではユーザーたちがゲーミングPCを使い、「Apex Legends」や「VALORANT」など、さまざまな競技タイトルを楽しんでいた。日本における同業種の草分けのような存在として、どのような道を歩み、eスポーツの盛り上がりに伴ってどんな変化が生まれているのか、店長を務める河井政俊氏に聞いた。(取材・文=片村光博)
店内にあるゲーミングPCは77台。その中でスペックの差こそあれ、すべて流行のeスポーツタイトルをプレイする分には問題のない性能を持つ。訪れた日は平日だったが、若者を中心にほぼ満員で、ボイスチャットを使ってインターネットの向こう側にいるチームメートと会話する声も聞こえてきた。ゲーミングPCは決して安価ではなく、自費で購入できない層や、友人と同じ場所でeスポーツを楽しみたい人々がメインの客層だ。
河井氏によると、もともとは会社として外国人、主に留学生向けのカフェを経営していたが、日本でのeスポーツの盛り上がりに伴い、日本人向けの店舗をスタートしたという経緯がある。eスポーツ先進国でもある韓国の“PCバン”と呼ばれるネットカフェの形態がベースだ。チャージ式の料金体制を採用しており、プリペイドカードを使ってカウンターを通さない自由な入退店が可能。ストレスフリーな会計がメリットとなる。
日本でも“eスポーツ”の名前が徐々に知られるようになってきた中、現在の利用状況について、河井氏は次のように説明する。
「コアユーザー、リピーターの方が多いですね。コア層の方が数か月ごとに入れ替わることで、店舗が運営できています。年齢層は10代~20代が9割以上で、たまに小学生の方もいらっしゃいます。土日や休みの日に2~3人で集まってゲームをするために、ゲームセンター感覚ですね。客層の広がりという意味では、eスポーツの人気が出てきたことも感じます。われわれの世代では家で1人でゲームをするのが当たり前でしたが、こういう場に来て友達と一緒にゲームをする。そうした文化ができているのは面白いなと思います。
新大久保という立地もあり、最初は外国人のお客様がほとんどでした。そこから徐々に日本人のお客様が増えていったのですが、近年は日本人の方の割合の増加を実感しています。小学生の方が来てくださるようになったことも含め、新しい客層の方が増えていますね」
eスポーツを受け入れることに抵抗のない世代を中心に、“競技としてのゲーム”を楽しむことは着実に生活の中に根付いているようだ。