【ズバリ!近況】「男はつらいよ」「俺たちの旅」で活躍の秋野太作さん 喜寿にして舞台復帰できる秘密
映画「男はつらいよ お帰り寅さん」が公開されているが、寅さんの弟分を演じていたのが俳優・秋野太作さん(77)だ。秋野さんといえば1970年代には「必殺仕掛人」(TBS)、「俺たちの旅」「俺たちの朝」(日本テレビ)など多くのドラマで、2000年代に入るとバラエティ番組「踊る!さんま御殿!!」(日本テレビ)などで活躍していた。秋野さんに近況を聞いた。
「男はつらいよ」で共演した渥美清さんとの本当の仲
映画「男はつらいよ お帰り寅さん」が公開されているが、寅さんの弟分を演じていたのが俳優・秋野太作さん(77)だ。秋野さんといえば1970年代には「必殺仕掛人」(TBS)、「俺たちの旅」「俺たちの朝」(日本テレビ)など多くのドラマで、2000年代に入るとバラエティ番組「踊る!さんま御殿!!」(日本テレビ)などで活躍していた。秋野さんに近況を聞いた。
映画「男はつらいよ お帰り寅さん」は山田洋二監督の渥美清さんへのリスペクトがよく出ている、とてもいい映画だったね。立川のシネマコンプレックスで観たんだったかな。「男はつらいよ」シリーズには途中から呼ばれなくなったから、エンドクレジットに僕の名前はなかったけど、僕とのシーンも3カットばかり使われていたよ。渥美さんと僕はドラマや映画で何度も共演し、当時は実際にも弟分のようにそばについて、渥美さんが台本を読んで覚えるのにずっと付き合っていたんだよ。3年前に出版した「私が愛した渥美清」(光文社)に詳しく書いたけど、僕はデビュー前から渥美さんの大ファンだったんだ。
僕は俳優座出身なんだけど、実はオヤジが剣舞の達人で、オフクロは薩摩琵琶の名人でね。子供の頃、オヤジに剣舞を仕込まれて、日曜日になるとオヤジが芸人として全国あちこちから呼ばれて舞台に立つので、僕も連れて行かれてお客さんの前で剣舞を披露した。結構人気があったんだよ。将来、俳優になろうとは思っていなかったんだけど、結局、子供の頃に経験した舞台の血が騒いだんだね。
本来の舞台俳優に戻って100歳まで舞台に立ちたい
大学に入ったら学生運動が盛んでろくに授業が行われず、どうしようかと悩んでいるうちに演劇の道をみつけて俳優座養成所に入ったんだ。時代の流れが変わってテレビドラマが非常に充実してきてテレビの世界へ行ったから、渥美さんに出会えたわけだから後悔はない。テレビの世界にはドラマもあれば司会もある、バラエティもある。いろいろできる。だけど、いつも芯にはオレは舞台俳優だ、という気持ちがずっとあったんだよね。揺るがずに。だから、今も俳優をやってられるんだな。
今また時代の変化でテレビ全盛の時代ではなくなったきた。それに伴って、僕は舞台にぼつぼつ復帰しつつある。4月に予定していた「エラリー・クイーン ミステリーオムニバス ~観客への挑戦~」は新型コロナウイルスの影響で延期になったけど、来年の予定ももう決まっている。400~500席の劇場で、俳優の顔が見えて、マイクを通してじゃなくて生の声がお客さんに届く、手作りの新劇タイプの芝居をお客さんに見せたい。タイミングよく自分に合った劇団に出会えたんだ。僕はもう子供を育て上げて、生活も安定しているから、本来の舞台俳優に戻って、100歳まで舞台に立てたらいいな、と思うね。