昭和の大横綱・大鵬のDNAを受け継ぐ男 27歳納谷幸男がDDTのKO-Dタッグ王座奪取へ
「大鵬三世」納谷幸男の大爆発に向けファイナル・カウントダウンが進んでいる。
毎週金曜日午後8時更新「柴田惣一のプロレスワンダーランド」【連載vol.89】
「大鵬三世」納谷幸男の大爆発に向けファイナル・カウントダウンが進んでいる。
DDT4・10東京・後楽園ホール大会でKO-Dタッグ王者「CDK」ことクリス・ブルックス、高梨将弘組に、火野裕士とのパワーコンビで挑戦する納谷。かつて8人タッグ王座を獲得したことはあるが「初めてのタイトルマッチのつもりで挑みたい」と力をこめる。
27歳の納谷は2017年にリアルジャパンプロレスでデビューし19年にDDTに移籍した。昭和の大横綱・大鵬の孫であり、父は元関脇の貴闘力。となれば、プロレス入り後も期待され注目を集めてきた。
「巨人、大鵬、卵焼き」とは昭和の流行語。1960年代を中心に「子どもや大衆に人気のあるもの」を指す言葉だった。プロ野球の人気球団巨人軍や卵焼きと並び称せられた大横綱・大鵬のDNAはとてつもなく大きい。
「初めてプロレスを見る高齢者の方が『あの大鵬のお孫さん? それは、それは』と喜んでくれる。『巨人大鵬卵焼き』と言われていたことも知っている。もちろん、誇らしいし、嬉しいことだけど、それを意識したらダメだと思っている。俺は納谷幸男なんだ」と言い切る。
いずれにせよ、なかなか結果がついてこない現状に、誰よりも満足できないのが納谷自身。「今回はベルトをとらないと、意味がない」と不退転の決意を固めており“結果”も出している。
王者組CDKとの前哨戦でも圧倒しており、身長201センチの納谷と同体格のクリスの出方に不安はない。くせ者・高梨のかく乱戦法を警戒している。「色々と仕掛けてきそう。さまざまなシミュレーションをしているけど、斜め上からきそうで……」というが「小細工してきてもガツンと押し潰すのみ」と笑い飛ばした。
「自信もある」と余裕すら漂わせる。というのもパートナー・火野との相性がぴったりなのだ。「火野さんについていくだけで、暴れられる。いただくアドバイスもしっくりくるモノばかり。こんなことは5年間で初めてのこと。火野さんのプロレスを学ばせてもらっている。ベルト奪取で恩返しもしたい」と納谷の目が輝く。