【カムカムエヴリバディ】森山良子とひなた、日本人同士の英語での会話をNHK絶賛「すばらしい」
女優の川栄李奈が3代目のヒロインの大月ひなたを演じるNHKの連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」(月~土曜、午前8時)の第102回が3月25日に放送され、森山良子がアメリカから来たアニー・ヒラカワ役で出演した。役どころはハリウッド映画の撮影チームのメンバーの1人で、キャスティングディレクターの設定。せりふは英語だけ。演出の橋爪紳一朗氏と制作統括の堀之内礼二郎氏に演出で心掛けたことや森山の起用理由などを取材した。
演じるアニー・ヒラカワはアメリカでずっと育って暮らしてきたという設定
女優の川栄李奈が3代目のヒロインの大月ひなたを演じるNHKの連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」(月~土曜、午前8時)の第102回が3月25日に放送され、森山良子がアメリカから来たアニー・ヒラカワ役で出演した。役どころはハリウッド映画の撮影チームのメンバーの1人で、キャスティングディレクターの設定。せりふは英語だけ。演出の橋爪紳一朗氏と制作統括の堀之内礼二郎氏に演出で心掛けたことや森山の起用理由などを取材した。
橋爪氏は「英語のセリフばかりでご本人も心配されていたと思いますが、特訓をしていただきました。アメリカから来た日系人で、アメリカでずっと育って暮らしてきたという設定。その部分はご本人も意識されていました」と紹介した。
森山は元々、英語は達者な方なのか。
橋爪氏は「全くできないと言うわけではないと思いますが、すごく練習を重ねていただいたと思います」。
劇中では「サムライ・ベースボール」という映画のためのキャスティングをする設定。実在の映画「ラスト サムライ」でキャスティングなどに携わった奈良橋陽子さんを思わせる。関係はあるのか。
橋爪氏は「アニーはフィクションの中の1人の登場人物であり、ハリウッド映画の話も『カムカム』における1つの物語ではありますが、その肉付けとして奈良橋さんに取材し、『ラスト サムライ』を参考にさせていただいています」と語った。
堀之内氏は「奈良橋さんに取材させていただきました。具体的なお話をうかがうことで、日系人がキャスティングディレクターをやることの信ぴょう性、リアリティーを補強したいと考えました。奈良橋さんのような存在がいてくださったのはとても心強かったです。ただ、奈良橋さんとアニーの人生は全く違いますのでモデルとは言えません。『ラスト サムライ』も、当時制作に携わった出演者やフィルムコミッションの方々にお話を伺って参考にさせていただきましたが、内容も大きく違うのでモデルとまでは言えないかと思います」と言う。
また、堀之内氏は森山の起用理由を説明してくれた。
「アニーは異邦人としてひなたの人生と時代劇に新しい風を吹かせる重要な人物。年齢は70前後でありながらも、視聴者の方々が初めて出会ったと感じられるような方に演じていただきたいと考えていました。キャスティングのご相談をした際に教えていただいたのですが、森山さんは、お父さんが元々トランペッターで、ルイ・アームストロングとも親交があったそうです。ルイ・アームストロングが来日した際は通訳としてずっと同行されたくらい親交が深かった方。森山さんはその英語を聞いていたそうです。英語の発音や耳が素晴らしいのは、きっとその影響も大きかったのではと思いました。相談したらご本人もお父様のご縁も含めて『ぜひ、やってみたい』と熱意を込めておっしゃってくれました」と紹介した。
アニーとひなたが英語で会話するシーンがある。堀之内氏は「すばらしいと思いました」と絶賛した。ネイティブではない日本人の俳優同士が劇中、流ちょうな英語で会話する。この作品ならではの魅力の一つだろう。
一方、アニー・ヒラカワは、もしかしたら安子ではないかと思えるシーンもあった。ひなたに英語の勉強を続けるように言うと、続けて「きっとあなたをどこか思いもよらない場所に連れて行ってくれますよ」と話していた。安子かどうかに、堀之内氏は「自由に想像しながらこの先の展開を見守っていただけたら」と明言を避けた。最終話まで残り少なくなってきたが、今後の展開がますます楽しみになってきた。