TBS系ドラマ「妻、小学生になる。」（毎週金曜、午後10時）の第9話が18日に放送される。堤真一主演の同作は、芳文社「週刊漫画TIMES」に連載中の村田椰融（むらた・やゆう）による同名漫画で、10年前に愛する妻を失い生きる意味を失った夫とその娘が、思わぬ形で妻（母）と奇跡の再会をする物語。

　4日に放送された第8話では、貴恵（石田ゆり子）の人格が憑依していた万理華（毎田暖乃）の身体から消えてしまう。18日に放送される第9話では、自分の人格を取り戻した万理華が母・千嘉（吉田羊）との新たな生活をスタートさせる。一方、出社した圭介（堤）は心ここにあらずの状態で、そんな圭介を守屋（森田望智）が心配する。麻衣（蒔田彩珠）もまた自分の殻にこもってしまい、蓮司（杉野遥亮）も心配して訪ねてくる。

　貴恵を失い、再び時間が止まってしまった新島家。最終回を前に、これまでの主要登場人物の動きを総ざらいする。

〇圭介（堤真一）

　10年前に最愛の妻・貴恵を亡くしてから、妻のいない残りの人生を“余生”として生きている元愛妻家。食品メーカーに勤務しているが、50歳を機に“役職定年”で販売促進部に異動。娘・麻衣との関係も、仕事もうまくいかない中、妻を名乗る小学生・万理華に出会う。

　万理華＝貴恵であることを受け入れられなかった圭介だが、万理華が貴恵との思い出のレシピを再現したことで、生まれ変わりであることを確信。圭介は万理華に「18歳になったら結婚しよう」とプロポーズする。万理華の母・千嘉と衝突することもあったが、次第に交流を深めていく。

　貴恵が戻ってきたことで、仕事にもより精を出すようになった圭介。誠実な人柄で、異動先の年下上司・守屋（森田望智）から好意を抱かれる。守屋に告白されるが、圭介は「恋愛も結婚もしない」と貴恵への一途な愛を貫くことを宣言。万理華が貴恵の生まれ変わりではなく、貴恵が憑依しているに過ぎないことが判明すると、万理華と貴恵の共存の道を探ろうとするが、貴恵は「万理華に体を返す」と言って消えてしまう。

〇麻衣（蒔田彩珠）

　圭介と貴恵の1人娘。もともと内向的な性格だったが、貴恵が突然亡くなり、母から生きる術を学ぶことができないまま20歳に。高校卒業後に就職するが、その後は無職。貴恵との思い出を大切に思うあまり、生まれ変わりを自称する万理華を激しく拒否するが、受け入れてからは信頼を寄せていく。

　その後は万理華に叱咤激励され、ホームページ制作会社に就職。さらに、営業先で蓮司（杉野遥亮）に出会い、好意を寄せる。蓮司に思いを打ち明けることができず、さらに「海の向こうに大事な人がいる」と言われてしまった麻衣は諦めようとするが、万理華に励まされ、蓮司と向き合うことを決意。晴れて恋人同士になった。

　万理華から貴恵の人格が消えかけたときには、蓮司に「幸せすぎて、消えてなくなるんじゃないかと不安」とこぼす。また、貴恵が万理華に体を返すと話すと、「ママがいなくなったら生きている意味なんてない」と涙を流して引き留めようとする。

〇千嘉（吉田羊）

　万理華の母親で、女手ひとつで万理華を育てている。自身が母親に愛されなかったという思いから、万理華との距離感に悩み、どう向き合うべきか考え続けている。そんな中、万理華が自分に隠れて全く知らない家族と会っていることを知り、万理華が貴恵の生まれ変わりであることを知らされる。

　万理華の人格が消えてしまったことについて、千嘉は「消えてくれないかな」と自分が万理華に強く当たったことが原因だと考えていた。「ひどい言葉をぶつけていた最低の母親だった。だから万理華が消えた」と自責の念を抱えて万理華に接するが、万理華や圭介たちと交流を深めるうちに、時おり柔和な表情も見せるようになる。

　11日に放送された第8話では万理華が貴恵の生まれ変わりではなく、貴恵が万理華の体に憑依しているだけだと判明し、貴恵の人格は消えてしまう。もともと万理華の人格が消えた原因を作ったことに苦悩していた千嘉だったが、「ママはここにいるよ」と戻ってきた万理華を強く抱きしめる。

〇友利（神木隆之介）

　貴恵の弟・友利は原作にはいないオリジナルキャラクター。アルバイトで食いつなぐフリーターで、生活は崖っぷち。自堕落な生活を送っているが、以前は期待の新人漫画家として少年誌に連載を持ち、順風満帆な漫画家人生を送っていた。しかし、10年前に姉・貴恵を失ったショックで連載を自ら打ち切ってしまった過去を持つ。

　万理華を「小学生」と呼び、貴恵の生まれ変わりであることを認めなかった友利だが、万理華に尻を叩かれて再び漫画家を目指し、以前の編集者にネームを持ち込むも「甘い」と一蹴されてしまう。そんなとき、生まれ変わりを描いたベストセラー小説「君と再び」を執筆した中学生の天才小説家・出雲（當真あみ）に出会い、親交を深める。

　友利は「姉ちゃんは周りをポンコツにする」と貴恵に強く依存していた。親戚からは定職に就かずに親の介護にも関わろうとしないことを責められ、「俺の味方なんてこの世に誰もいない」と自暴自棄になるが、万理華に「うだうだ言ってないで少しは頑張りなさい」「死んじゃった私よりずっとマシ」と励まされ、1年で漫画家として成功できなければ実家に戻ると約束。自立の道を探り始める。

　第9話は、18日午後10時から放送される。