【RIZIN】「目の前の敵は敵じゃない」“Uの子孫”山本空良の父・喧一会長が提唱する独自理論
20日に丸善インテックアリーナ大阪で開催される格闘技イベント「湘南美容クリニック presents RIZIN.34」で、中村大介VS山本空良による“UWF継承マッチ”が行われる。そこで今回は山本空良の父であり、元UWFインターナショナルに所属していた山本喧一会長(現PODジム会長)を直撃。この試合にかける思いと、独自の練習方針について話を聞いた。
原点はリアル「UWF道場」
20日に丸善インテックアリーナ大阪で開催される格闘技イベント「湘南美容クリニック presents RIZIN.34」で、中村大介VS山本空良による“UWF継承マッチ”が行われる。そこで今回は山本空良の父であり、元UWFインターナショナルに所属していた山本喧一会長(現PODジム会長)を直撃。この試合にかける思いと、独自の練習方針について話を聞いた。(取材・文=“Show”大谷泰顕)
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――“Uの末裔”と呼ばれる中村大介選手と、会長の次男坊・空良選手の一戦が迫ってきました。
「中村くんってこの間(2021年7月)もDEEPでタイトルマッチをしていますよね。だから年齢的には41歳だって聞いてますけど、現役って言ったらバリバリのトップ選手ですもんね。そう考えると『Uの継承』とか『U対決』で話題もあるかも知れませんけど、実際、ちゃんとしたMMAの実績として十分キャリアも豊富だし、そのタイミングで20歳離れた息子との対戦が組まれたってことは、いろんな方面、総合格闘技方面と、昔ながらのPRIDE方面と。いろんな人たちの心をくすぐるような重要な一番なんじゃないかなっていう気はします」
――山本会長のおかげで、今もなお“U”が続いて行っていますね。
「そう考えると、“U”に関わった人間はしつこいなって感じはしますね。だって息子が育つまでの間、中村くんたちが頑張ってくれていなかったら、今回のカードはないわけですから。だから中抜けって怖かったけど、間が開いちゃうのが。それがなく脈々とイデオロギーとか遺伝子とか流れていって、息子にバトンタッチされるような。そんな運命的な心象を感じますね。だからPRIDE時代に心を震わされた人たちが、一番“萌える”カードなんじゃないですかね」
――実際、山本空良選手は「『RIZIN TRRIGER 1st』(2021年11月28日、神戸ワールド記念ホール)に上がってから、“U”を実感するようになった」と話していました。
「ウチはPODジム(POWER OF DREAMジム)とは別に、店(居酒屋)があって、名前を『UWF道場』って名づけていて、息子もそこを手伝わせたりしてましたからね。店にはいろんなファンも来ますけど、そういう人たちと交流したりして。だから、わけがわからない父親だと思っていたんじゃないですかね。不思議だったと思うんですよね。でも、僕は店にも『道場』ってつけているのは、原点はリアルUWF道場だと思うんですよ」
――東京・瀬田にあったUWF道場ですね。
「ムエタイも基本は道場制だし、日本では大相撲もそうじゃないですか。だから道場っていう特殊な世界でこそ磨かれるものってあると思うんですよ。それが門戸解放されてジムになっているんだけど、その中でもプロを目指す子たちには、昔ながらの道場のいい部分を残しながら、現代MMAにフィックスさせていきたいなと思っているんですよね」
――その方法とは?
「10年以上前に考えたんですよ。自分のやろうとしていることを東京でやろうと思うと、食費や家賃も高いし、ハードルが高かった。だったら北海道ならそこを抑えられるし、可能性のある投資ができるんじゃないかんと。とはいっても最初からそれができるわけじゃない。だから最初は会員さんから月謝を取って、息子と同じ年齢の小学生が入った段階で息子に付き合わせたんですね。そしたらそこに本人がハマっていったと。でも、息子がやる気になったら、こっちも熱を入れちゃうから、誰よりも厳しく接してしまう。だから、なんで僕だけ厳しくされるんだって母親に泣きついていましたけど、それでも歯を食いしばってやっていましたね」