金子恵美インタビュー 中国に100万枚マスク送ったツイートの鳩山由紀夫氏は「名家の余裕のある発想」
2020年を迎えた日本社会は多くの困難に直面している。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、経済への悪影響は必至で、日常生活ではマスク・消毒液不足が解消されず、人が集まるイベントや行事の“自粛ムード”も高まっている。また、「働き方改革」が進む中で、男性の育児休業取得など課題も多い。「処方箋」はあるのか。1児の母であり、元衆院議員でコメンテーターの金子恵美氏に聞いた。全3回の前編。
金子恵美氏に直撃!単独インタビュー全3回 新型コロナの政府対応に諫言「日本に向けられている厳しい目を払拭しないと」
2020年を迎えた日本社会は多くの困難に直面している。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、経済への悪影響は必至で、日常生活ではマスク・消毒液不足が解消されず、人が集まるイベントや行事の“自粛ムード”も高まっている。また、「働き方改革」が進む中で、男性の育児休業取得など課題も多い。「処方箋」はあるのか。1児の母であり、元衆院議員でコメンテーターの金子恵美氏に聞いた。全3回の前編。
――新型コロナの感染拡大が止まりません。マスク・消毒液の品薄がプチパニックのような状態にもなっています。
「1月末にある番組に出演した際に、マスクと消毒液が街中から消えてしまっているということを聞いて、私もその日にいろいろと店頭を回ったのですが、なかったです。その頃から始まっているな、と実感しました」
――子供を持つ母親にとっても不安は大きいです。一般市民の行動で大事なことは。
「ママたちにとっては、口コミで『マスクないよね』という話が出てくると、人間の心理で、とにかく確保しようと思って動いてしまいます。一般的な心理としても感染者の数が増えてくると、より不安になってしまいます。政府はマスクを供給すると言って、「月産6億枚」の数字も出ていますが、それでも足りないのではないかと思います。それではどうするのか。個々の工夫・努力の中で、手製のマスクを作っている方もいらっしゃいます。こうした対策も大事ですが、基本の手洗い、うがいを徹底することがより重要です。マスクがないからどうしようとパニックになるよりも、マスクは考え方によっては、予防にはならないという意見もあります。冷静に衛生管理をしましょうということです」
「少し話が変わりますが、(元首相の)鳩山由紀夫さんが中国に100万枚のマスクを送ったとツイートした日にラジオでご一緒したんです。アナウンサーの方は、なぜ送ったのかという真意を聞いて、どうやって100万枚を確保したのかを質問されていました。私は、名家でいらっしゃる鳩山さんらしい、非常に余裕のある発想だなと思いました。国際貢献として助けてあげたいという思いで動かれたのかもしれないのですが、国民感情からすれば、どうでしょうか。まず一番に自分のこと、親は子供のことをなんとかしなければと思うわけですから。もうひとつ、海外の方が入れ替わり立ち代わり店に入っては買っての繰り返しをやっている部分もあるとも思います。この状況はしばらく続くような気がしています」
――金子さんは新型コロナの対応策として、医療機関をパンクさせないことや、国民の不安を抑えるための情報開示といった考えを示しています。集団感染が確認されたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」に対する日本政府の対応はどうだったのでしょうか。
「船内で感染が広がるリスクを見通せていなかったと思います。しっかりと検証するべきです。クルーズ船が横浜港に到着した当初は人権の配慮もあって、日本の場合、最初は隔離が難しかったという面はあるかと思います。日本政府として隔離の対策を取りましたが、この隔離が徹底していたのか、実効性があったのかを見極めないといけないです。しかしながら、下船して自国に戻った方々に陽性反応が出ています。日本政府としては『14日間しっかりやりました』と言わざるを得ませんが、国際社会から厳しい目で見られているのは、実際に帰国者に陽性反応が出ているからです。今の日本に向けられている厳しい目を払拭する努力をしないと、アジア全体が『コロナ』という差別的な目で見られてしまいます。この点も大事だと思います」
□金子恵美(かねこ・めぐみ) 1978年2月27日、新潟県生まれ。42歳。早大卒。衆院議員時代は総務大臣政務官などを歴任した。政界引退後は、コメンテーターなど幅広く活躍している。