ウクライナ人兄弟・サワヤンが伝えたい“当事者意識”の重要性「傍観者にはならないで」

ウクライナ出身の人気YouTuber兄弟・サワさん(26)とヤンさん(20)は日々、発信を続けている。総登録者数200万人超のYouTubeチャンネルを利用しながら、連日母国で起こっている目を背けたくなるような現状を日本の若者に向けて、彼らなりの言葉で伝えている。2人は戦争という現実に何を思うのか、なぜ発信を続けるのか。今、本当に伝えたいことを聞いた。

ウクライナ出身の人気YouTuber兄弟「サワヤン」
ウクライナ出身の人気YouTuber兄弟「サワヤン」

ウクライナにいる父親からはYouTubeでは届けられない「衝撃的な内容」も

 ウクライナ出身の人気YouTuber兄弟・サワさん(26)とヤンさん(20)は日々、発信を続けている。総登録者数200万人超のYouTubeチャンネルを利用しながら、連日母国で起こっている目を背けたくなるような現状を日本の若者に向けて、彼らなりの言葉で伝えている。2人は戦争という現実に何を思うのか、なぜ発信を続けるのか。今、本当に伝えたいことを聞いた。(取材・文=中村彰洋)

 兄のサワさんは、ウクライナで生まれ育ち、父親の仕事の関係で4歳のときに来日。弟のヤンさんは日本で生まれ、現在まで過ごしてきた。一方で、数年に1回のペースで母国の地を訪れていた。また、現在は父親や叔父家族がウクライナで生活を続けている。

「侵攻が始まってからは『いよいよ始まったな』と連絡がきました。最近では、現地の被害状況だったり、生の声をデータや映像を使って送ってくれます。現地にいる父親や叔父のおかげでリアルな現状を肌で感じることができています」

 父親とは毎日連絡を取っているというサワさんが、やり取りの内容を明かしてくれた。

 父親からは、日本で発信力を持つ2人に“現地の人が伝えてほしいこと”といった提案を受けることもあるという。しかし、「YouTubeで上げられないような衝撃的な内容もあります」と中には生々しいリアルも。そんな中でも「どうすればみんなに伝わって、僕たち母国のことを意識してくれるようになるんだろうと考えながら情報発信しています」と思いを巡らす。

 ゲーム実況配信をしながら、若者に伝わりやすいようにかみ砕いて“生の声”を発信し続けているが、そこにあるのは「当事者意識を持ってほしい」という強い思いだった。

「傍観者にならないってことが1番大事なことだと思ってます。日本にいても何かできることはあって、それは募金もそうですし、それについて考えることだけでも意味があると思います。いつ同じようなことが自分の身に起こるかも分からない。社会から置いていかれないためにも、ニュースをチェックしたりして、何が真実で何が偽りなのかを自分の目で確かめながら、いろんな情報収集をしてほしいです」

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