都医師会、5歳以上のワクチン接種基準に見解「基礎疾患のある子には積極的に推奨」
東京都医師会の定例会見が8日、都内で行われ、今月から始まった5歳から11歳の子どもを対象としたワクチン接種について、接種基準の見解が示された。
今月から5歳から11歳の子どもを対象としたワクチン接種が開始
東京都医師会の定例会見が8日、都内で行われ、今月から始まった5歳から11歳の子どもを対象としたワクチン接種について、接種基準の見解が示された。
東京都医師会の尾崎治夫会長は、総論で「小児のワクチン接種については、こうだという回答は難しい。私どもが思う安全の定義をお伝えしたい」と説明。猪口正孝副会長は「特徴的なのは、10歳未満の占める割合が増えてきた。ここにきて家庭内感染が非常に増えている。中心となるのはやはり大人。成人の皆さんがしっかりと気をつけることが大事」と子どもの感染が増えてきている現状を指摘した。
これを受け、小児科医の川上一恵理事は「都内各所でも子どものワクチン接種が始まっています。大多数は軽症、単発的には中等症も出ている。基礎疾患のある子や2歳未満の子では重症化リスクが増大します。残念なことに先月末に1人亡くなられました」と現在の状況を説明。
5歳から11歳へのワクチン接種については「約1割のお子さんが発熱などの副反応が見られます。発症予防効果は51%、入院予防率は74%ですが、データが少なく統計学的有意差はありません」と客観的データを示しつつ「コントロールが難しいぜんそく、先天性心疾患、糖尿病、先天性の免疫不全などの基礎疾患のあるお子さんについては、積極的な接種を推奨します。また希望する健常児のお子さんへの接種を推奨します」と話した。
川上理事のクリニックでもすでに接種を開始しているといい「自分のクリニックでは接種前に説明会を行いました。迷ってらっしゃる親御さんからは、うちの子は基礎疾患に入るのかという質問があった。納得していただけた親御さんは接種するケースが多いが、重症化リスクが低いからと接種を見送る親御さんももちろんいる。とにかく説明するということがとても大事」と話した。