対応に追われる在日ウクライナ大使館、寄付や反戦メッセージ続々 義勇兵志願者か
ロシア侵攻により、ウクライナ情勢が混迷を極めるなか、東京・港区の在日ウクライナ大使館には1日も寄付を申し出る人々が続々と訪れた。さらに義勇兵志願者とみられる人も現れるなど、慌ただしく対応に追われている。
ウクライナ大使館「自衛隊経験など、専門的な訓練の経験が条件」
ロシア侵攻により、ウクライナ情勢が混迷を極めるなか、東京・港区の在日ウクライナ大使館には1日も寄付を申し出る人々が続々と訪れた。さらに義勇兵志願者とみられる人も現れるなど、慌ただしく対応に追われている。
大使館前には、封筒を手に、寄付を申し出る人が次々と集まっている。銀行口座への振り込みでも受け付けているものの、大使館職員に激励の言葉とともに直接手渡す人がこの日も見られた。車でやってきた男性は、寄付した理由について「日本人の友達がウクライナにいたので。今はポーランドに出国できています」と話し、神妙な表情でその場を離れた。大使館は日本人から集まった寄付の総額が、1日現在、約20億円に達したと発表した。
建物の入口前には、多くの花のほか、ウクライナ兵の写真を添えたメッセージも置いてあった。ウクライナ国民の無事を祈る内容だったり、「ノーウォー(戦争反対)ノープーチン」「ウクライナ人は必ず侵略者に勝つ」「ウクライナは永遠に自由です」などロシアに戦争をやめさせ、平和を願うものが目立った。
さらに、大使館には義勇兵の志願者とみられる人の姿も。
大使館は2月27日、ツイッターに「ゼレンスキー大統領は27日、ボランティアとしてウクライナ兵と共にロシア軍に対して戦いたい格国の方々へ、新しく設置されるウクライナ領土防衛部隊外国人軍団への動員を呼びかけた。お問い合わせは在日ウクライナ大使館まで」と記した。
問い合わせは殺到し、翌28日には、「ウクライナ領土防衛部隊外国人軍団への動員の呼びかけに際し、日本の皆様から多くのお問い合わせをいただき、誠にありがとうございます。候補に対する大事な条件の一つは、自衛隊経験など、専門的な訓練の経験です。ご了承をお願い致します」とツイート。実際の派遣には条件があることを付け加えて、申し込みのハードルを上げた。
この日、現れたのはガッチリとした体格の男で、流ちょうな英語を使って職員と交渉していた。記者の質問には答えなかったが、何者かを尋ねると、「元自(元自衛官)なので」とだけ話し、大使館を後にした。
ネット上には、大使館の公式サイトがつながりにくい状態が続いていることから、「参加したいのですがサイトにアクセスする事が出来ません」といった声や、日本で兵を募集することについて「憲法にも抵触しませんか?」「素人じゃあ無理」「陰ながら応援させていただきます」「武力ではなく、対話での平和的解決をあきらめないで下さい」など、さまざまな声が寄せられている。