「ベイビーわるきゅーれ」ヤクザの娘役の22歳は大の漫画好き「デビュー前は内気でした」
昨年7月30日に公開され、SNSでの口コミで評判が広がり、異例のロングランヒットを記録する映画「ベイビーわるきゅーれ」(阪元裕吾監督)。元女子高生の殺し屋(高石あかり&伊澤彩織)を主人公にしたアクションで、敵役のヤクザの娘を演じているのが、新進女優の秋谷百音(22)だ。劇中では役柄上、汚い言葉も使うが、秋谷の素顔は……。
秋谷百音インタビュー「本当に大切な作品になりました」
昨年7月30日に公開され、SNSでの口コミで評判が広がり、異例のロングランヒットを記録する映画「ベイビーわるきゅーれ」(阪元裕吾監督)。元女子高生の殺し屋(高石あかり&伊澤彩織)を主人公にしたアクションで、敵役のヤクザの娘を演じているのが、新進女優の秋谷百音(22)だ。劇中では役柄上、汚い言葉も使うが、秋谷の素顔は……。(取材・文=平辻哲也)
「ベイビーわるきゅーれ」で演じるのは、「日本統一」シリーズで知られる本宮泰風が演じるヤクザ浜岡一平の娘。ド派手なファッションで身を包み、稼業にクビを突っ込むひまり。父と兄の復讐のため、殺し屋2人に闘いを挑むという少々ブッ飛んだキャラクターだ。6か月以上に及ぶヒットには、「私の役は悪役なんですけど、すごく皆さんに愛していただいて、すごいありがたいなと思っています」と喜ぶ。
出演のきっかけは、阪元監督の別作品のオーディションで顔を合わせたこと。「監督から、ひまり役をやってほしい、と声をかけられ、台本を読んだのですが、『これ、できるかな』という感じでした。最初はビックリしましたけど、非日常を楽しみました」。
劇中では、殺し屋の依頼主を拉致して、「スマホ出せ!」「ゴタクはいいから、早く言えよ、チンカス」といった汚い言葉で中年男をどう喝する場面も。「監督には、こんな言葉を使って、NGじゃないんですか、と聞いちゃいました(笑)。監督からは、前の作品『ハングマンズ・ノット』(ヤンキー兄弟が殺し合いを繰り広げる)を見てほしい、ひどいことを平然と、純粋な気持ちでやってください、と言われました」。
悪役ヒロインだが、家族思いの面や少し抜けた部分も。「私も、抜けたところがあるみたいなんです。家族からは『手のかかる幼稚園生みたい』とか『ポンコツ』と言われるんですね。自分では自覚がないんですけどね」。
小さい頃は内気な性格だった。女優を志したきっかけは、中学生だった2013年12月、つかこうへい作・岡村俊一演出の舞台「広島に原爆を落とす日」(俳優座劇場)を観たこと。「観たいといって、母に連れていってもらいました。終わって、立てないくらい号泣してしまって、私も演じる側に行ってみたい、と思ったんです」。
その後、母の勧めもあって、現在の事務所に所属。高2のときからレッスンを受けながら、女優業を続けている。「引っ込み思案、内気な性格も変わりましたし、自分が好きなことをやらせてもらえる環境にいさせてもらって、充実しているなと思います。生きているな、と充実感がありますね」