石原慎太郎さんが死去 都知事として辣腕 「ゆめもぐら」却下し大江戸線に決定も
作家で元東京都知事の石原慎太郎さんが1日午前亡くなった。89歳だった。
都知事として数々の手腕 アントニオ猪木氏も追悼
作家で元東京都知事の石原慎太郎さんが1日午前亡くなった。89歳だった。
石原さんは1932年、神戸市生まれ。一橋大在学中の55年に発表した小説「太陽の季節」で芥川賞を受賞し作家デビュー。作品は映画化され、弟で俳優の故石原裕次郎さんのデビュー作となった。長男の伸晃氏は前衆議院議員、三男の宏高氏は現衆議院議員で、次男の良純氏はタレントとして活躍している。
68年に参院選に初当選し政治家に転身。環境庁長官や運輸相などを歴任した。95年の議員辞職後、99年に東京都知事選に出馬。有力候補を抑え当選を果たすと、4期目の2012年に辞職するまで約13年間都政を担った。
ディーゼル車の排ガス規制や新銀行東京の設立、東京都立大学改め首都大学東京(20年4月に再度名称を戻す)の命名など、都知事として数々の手腕をふるった。
また、現在の都営大江戸線の路線名を決める際、いったん公募で決まった「東京環状線」(愛称は「ゆめもぐら」)を却下し、「大江戸線」と決定した。実際の路線が「6」の字を描き、完全な環状線ではないことが理由だった。
ほかにも、羽田空港の国際化、東京マラソンの開催、三宅島噴火や東日本大震災の際の災害対応、認証保育所の待機児童対策、東京水の整備、東京五輪の誘致計画や築地市場の移転計画など、のちの都政にもつながる政策を数々実現した。
元プロレスラーで政治家のアントニオ猪木氏は1日、ツイッターで「石原慎太郎氏の訃報に心より追悼の意を表します。2013年に日本維新の会から私が参院選に出馬した際に『以心伝心ジェット・シン』と言ったら、慎太郎さんはとても喜んでくれた。それが選挙戦への大きな励みになりました。深く感謝しております。安らかにお休みください」でコメント。政界、芸能界からもその死を悼む声が相次いでいる。