千葉御三家・市川中入試 幕張周辺ホテルに大勢の親子客、前泊のメリットとデメリット
埼玉県に続き千葉県内の難関中学校の入学試験が20日、本格的に始まった。千葉・幕張メッセ国際展示場では私立市川中学校(千葉・市川市)の入学試験が行われ早朝から大勢の親子が行列を作った。
幕張メッセ試験会場には時計なし 腕時計は必須
埼玉県に続き千葉県内の難関中学校の入学試験が20日、本格的に始まった。千葉・幕張メッセ国際展示場では私立市川中学校(千葉・市川市)の入学試験が行われ早朝から大勢の親子が行列を作った。
JR海浜幕張駅前には「市川中学校入学試験会場」と書かれた看板を持った係員が受験生とその保護者を案内。幕張メッセ入り口付近は午前7時50分ごろ、検温のため長い行列ができたが、流れはスムーズで受験生親子は次々と会場内に入って行った。保護者は子どもに「受験票は?」「頑張れよ!」「落ち着いてやれば大丈夫」「トイレは?」などと声をかけたり、激励のためハイタッチをしたりする親子の姿も見られた。中には子どもに水筒を手渡し忘れた保護者もおり、「あら、どうしよう」と苦笑いを浮かべていた。同8時5分を過ぎたあたりから人波はまばらになった。
この日の入試(第1回、一般)の開場時間は午前6時45分、集合時間は同8時15分。同20分から出欠調査と諸注意があり、国語(50分)、算数(50分)、社会(40分)、理科(40分)の順で試験が行われた。各科目とも100点満点。幕張メッセの試験会場には時計がないため腕時計は必需品だ。
昨年のこの日に行われた一般入試の志願者数は合計2463人で合格者数は同1049人。実質倍率は約2.3倍という結果だった。注目すべきは教科別平均点。国語(100点)が全体で68.5点であるのに対し、算数(100点)は32.9点と難易度が極めて高かった。また、国語と算数の試験時間が各50分なのに社会と理科は40分と短いため、社会と理科は設問を素早く処理する能力が求められる。
市川高校の昨年度進学実績は東大22人、京大4人、慶応大108人、早稲田大129人、国公立医学部医学科18人。東京御三家の前受け校(すべり止め)として人気が高い。
受験生の保護者にとって悩ましいのは入試前日の対応だ。前日入りしてホテルに泊まるのか、あるいは早起きして当日向かう方が良いのか……。昨年度の受験を経験した保護者はこう話す。「万が一、天候が悪くて雪が降ると電車が遅延するおそれがあるため私と子どもは前日夕方に海浜幕張駅に向かい、ホテルニューオータニ幕張に泊まりました。子どももいつもと変わらない様子でよく眠ってました。朝食はビュッフェスタイルで、焼きたてパンにシェフが目の前で作ってくれるオムレツがおいしかったです。しかも入試会場は目の前なので移動についてはまったく不安はありませんでした。結果的に入試にも合格できました。ホテルに泊まったのは正解でした」。
進学塾関係者は「ホテルの室内は乾燥して子どもが体調を崩したり、布団や枕が変わるため子どもが寝付けなくなるおそれがある」と指摘するが、「ニューオータニは防寒用の毛布や加湿器の用意がありました」(同)という。
もちろん宿泊代もそれなりにかかるためメリットとデメリットをよく比べたうえで子どもと相談して判断すべきだろう。