野人・中西学が完全燃焼の引退「現役は終わりだけど死ぬまでプロレスラー」
新日本プロレス22日の東京・後楽園ホール大会で野人・中西学の引退試合が行われた。
最後は棚橋のハイフライ弾にフォール負け
新日本プロレス22日の東京・後楽園ホール大会で野人・中西学の引退試合が行われた。
入場前には専大レスリング部時代の先輩・長州力が登場し、解説席にスタンバイ。中西は同じ第三世代の天山広吉、小島聡、永田裕志と組み、オカダ・カズチカ、棚橋弘至、飯伏幸太、後藤洋央紀組と激突した。
首の負傷が原因で引退となった中西だが、随所に野人らしい豪快なファイトを披露する。先発を買って出ると、気合満点の表情でオカダと対峙。レインメーカーをかわしてオカダの喉元に手刀を突き刺し、天山とダブルショルダータックルを決めた。
第三世代の絆もアピールした。永田のハイキックが誤爆した中西は、味方の永田をアルゼンチン式背骨折りに担ぎ上げる。しかし、これは作戦。そのまま永田を飯伏、棚橋に投げつけ、永田とハイタッチを交わした。第三世代全員による「ホーッ!」の雄たけびが響き渡った。
勢いに乗る中西は、棚橋にコーナー最上段からの雪崩式ブレーンバスターを発射。さらに再びコーナーに上がって、ダイビングボディーアタックを突き刺した。カウントは2。会場は大「中西コール」に包まれ、中西は棚橋をアルゼンチンに捕獲。すかさず、天山、小島、永田もアシストだ。右手の人差し指を天にかざした中西は、飯伏、後藤をまとめてブレーンバスターで投げ捨てる怪力ぶりを見せつけた。
しかし、最後はオカダのドロップキックで流れを変えられると、後藤のGTR、飯伏のカミゴェ、オカダのレインメーカーと波状攻撃を受け、棚橋のハイフライフローに18分3秒、フォールを奪われた。
試合後の引退セレモニーでは、坂口征二、馳浩、長州、藤波辰爾がリングに上がり、中西の完全燃焼をねぎらった。馳は「たくさん選手がいる中で一番でかいな。中西だけなんですよね、サポーターしてないのは」と頑丈な体をたたえ、藤波も「まだまだすごい体しているのになー」と早すぎる引退を惜しんだ。
中西は「こんなにたくさんの方に来ていただいて、本当にありがとうございます」と1720人札止めの観衆に感謝。
そして「奇跡のようにオリンピックに出れて、たいしたことないのに新日本プロレスに取ってもらって、いい気になって失敗を繰り返して、そやけど、みんなに支えられた。特に永田、天山さん、小島さん。後輩らにもケツもたたかれて、なんとかここまでやってこれました。本当に皆さんがこんな俺を応援してくれた。現役は終わりだけど死ぬまでプロレスラーだと思っています。マサ斎藤さんもそう言っていました。死ぬまでトレーニングを続けて、そして第2の人生、思い切り歩んで行きたいと思います」と話し、27年間のプロレス人生にピリオドを打った。