緊急速報メールはオフにしてもいい? 専門家「基本的にはやめて」と警鐘鳴らす理由

15日にトンガで発生した大規模な噴火に伴い、神奈川県で誤った配信プログラムにより繰り返し配信された携帯電話の緊急速報メール(エリアメール)。一夜明けた16日には黒岩祐治県知事がツイッター上で誤報だったことを認め謝罪した。深夜から未明にかけて繰り返し鳴り響いたアラームに、中には携帯の設定をオフに変更した人もいるが、専門家は安易な設定変更に注意を呼び掛けている。

スマートフォンの緊急速報メールが話題となっている(写真はイメージ)【写真:写真AC】
スマートフォンの緊急速報メールが話題となっている(写真はイメージ)【写真:写真AC】

各種スマートフォンの緊急速報は「設定」から変更が可能

 15日にトンガで発生した大規模な噴火に伴い、神奈川県で誤った配信プログラムにより繰り返し配信された携帯電話の緊急速報メール(エリアメール)。一夜明けた16日には黒岩祐治県知事がツイッター上で誤報だったことを認め謝罪した。深夜から未明にかけて繰り返し鳴り響いたアラームに、中には携帯の設定をオフに変更した人もいるが、専門家は安易な設定変更に注意を呼び掛けている。

「未明より、津波に関して緊急速報メールが何度も配信されました。原因を調査したところ、委託業者が誤ったプログラムを設定していたことが明らかになりました。ただちに回収作業を終えましたが、二度とこのようなことのないように再発防止を徹底します。ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした」

 神奈川県の黒岩知事は16日、自身のツイッターアカウントでこのように説明。続く投稿では「度重なる深夜の津波注意報の誤送信により、多くの県民の皆さんが眠れない夜を過ごされたと思います。また、受験生の皆さんにはたいへんなご迷惑をおかけしました。ホントに申し訳ございませんでした」、「津波注意報の誤送信。委託業者の設定作業ミスが原因であっても、もちろん県の責任です。業者に責任を押し付ける気はありません。ですから、私が謝罪しています。私自身も寝不足です」と謝罪の言葉を繰り返した。

 15日深夜から16日朝にかけ、送信されたエリアメールは合計626件(地域別では最大20件)。県民からは「眠れない」と苦情の声が殺到したが、一部ではあまりのうるささにエリアメールの設定をオフにしたという人も。1歳の子を持つ神奈川県内の30代女性は「子どもが泣いて大変だったので、夫が調べたら鳴らないように設定できるみたいで。初めて知りました」と驚きの声を上げる。確かに、検索するとiPhoneなどの各種スマートフォンで「設定」から「緊急速報」をオフにできることが分かる。

 今回は誤報だったからよいものの、スマートフォンの緊急速報はオフにしてもいいものなのか。防災アドバイザーの高荷智也氏は「基本的にはやめてほしい。大きな地震の後に必ず起こるのが余震。被災地から多少離れた場所であっても、足元で余震が起こらないとは限りません。そのとき正しい通知が来なければ本末転倒です」と注意を呼び掛ける。

 その上で「緊急速報メールやエリアメールはオンかオフの二択ですが、アプリなどでは震度によって知らせるか否かを設定できるものもある。長い避難所暮らしで震度1や2の揺れであれば知らせないでほしいというときには、1つの手段としてはあります。ただ、やはり基本的には設定しておくべきもの。今回設定をオフにした人も、忘れないうちに入れ直しておくべきです」と高荷氏。

 6000人以上が犠牲となった阪神・淡路大震災から17日で27年。トンガの噴火も機に、あらためて防災意識を確認しておきたいところだ。

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