俳優の寺島進が主演を務めるテレビ東京系ドラマ「駐在刑事 Season3」（毎週金曜、午後8時）が、14日午後8時から初回2時間スペシャルでスタートする。このほど、寺島ら出演者がオンライン会見を通して最新シーズンの見どころや撮影秘話を語った。

　寺島が演じ、かつては警視庁捜査一課の敏腕刑事で今は奥多摩の人々に“駐在さん”として親しまれている江波敦史の活躍が人気の同シリーズ。前作に引き続き、北村有起哉、笛木優子、佐藤寛太、鈴之助、市毛良枝らレギュラーキャストが出演する。奥多摩の美しいロケーションを背景に、「人情とユーモアあふれるエピソード」と「謎が謎を呼ぶ殺人事件」を組み合わせた物語が展開していく。今シーズンは新キャラクターとして捜査一課への転籍を強く希望する警視庁捜査二課の和泉玲香を、藤井美菜が演じる。

　オンライン会見には、寺島、北村、佐藤、藤井、市毛の5人が参加した。寺島は2014年の単発シリーズから始まった本作の時間の経過に思いをはせ、「見続けてくれたファン、出演者、すべてのスタッフに支えてもらって、ありがてえなあと思っています。シーズン2を超えるものを作ろうと心がけました」と感謝の思いを語った。

　撮影現場での変化について聞かれると、「寺島が変わりました。パワハラとかなんとかで、『バカ野郎』『この野郎』が少なくなりましたね（笑）」と、寺島は時代に合わせた自らの“変化”について大胆に言及。これに、加倉井管理官役の北村は「寺島さんにご自覚があるみたいで。寺島さんが優しくなりました（笑）」と応じた。続けて、「最初のスペシャルのとき、僕と寺島さんで最初にガチンコで芝居するときに、僕はちょっと手探りでやっていたんです。そうしたら、『もっと来いよ』と言われて。そのときは正直僕もムカっとしまして（笑）。その緊迫感たるや。のっけからそこからスタートしているのが、駐在刑事の忘れもしないシーンだったのですが、そのころから比べると、優しく穏やかになったという印象です」と明かした。

　また、寺島は、キャリア警官・軽部翔平を演じている佐藤の成長についてエピソードを披露。「寛太が変わりました。シーズン1の撮影で2人のやりとりのシーンがあって、台本2ページ分をワンカットでいくときに当時はかんでいたんですよ。それがシーズン3になったときは、すらすらせりふを言って。この若さというか吸収力の早さ、進化しているなあと思いましたね」と誉めちぎった。

　佐藤は気恥ずかしそうに、「台本を読んだうえでよく分かってはいたのですが、監督から『きょうこのシーンはワンカットでいく』と言われ、『ワンカットですか』と驚いてしまって。撮影ではプレッシャーと恐れで、かみかみのかみだったことをすごく覚えています」と話した。ここで、寺島が思わぬ事実を。「実はそれは、寛太がいまこれを乗り越えれば自信になるという思いで、新人を鍛えようというそんな思いもあって、監督と相談したんです」と打ち明ける。佐藤はリモートの画面越しにびっくりした様子で、「いま知りました。本当ですか？」とリアクションした。

“義理と人情”にあふれる撮影現場だといい、佐藤は「この現場はあったかいんです。寺島さんの作品に対する姿勢を見てきて、寺島さんはどのスタッフさんとも『寺島進対その人』という1対1でやりとりをしていらっしゃって、これが座組だと学ばせてもらいました。（共演者の）昭和世代の皆さんにお世話になれて、人をかわいがることや、人と向き合うことも教わりました」と語った。

　2時間スペシャルの第1話には、今井翼とかたせ梨乃が親子役で出演。今井が演じるのは、ロボットをつくるベンチャー企業の社長・本郷俊介。クラウドファンディングで集めた1億円を巡って出資者と対立し、詐欺で訴えられてしまい、さらには殺人事件にまで発展してしまう。かたせが演じるのは俊介の母親・八重子で、厳しくも愛情深い母親を熱演。また、俊介を訴えた詐欺被害者の会の副代表・大和田耕造役を田山涼成が演じる。