「実名報道が罰になるのは違う」 成人年齢引き下げと少年法改正、新成人にアンケート

東京都新宿区の成人式「はたちのつどい」が成人の日の10日に行われ、会場の京王プラザホテルでは午前中からスーツや振り袖姿の大勢の新成人でにぎわった。今年4月1日からは成人(成年)年齢を18歳に引き下げる民法改正法が施行されるが、当事者の“先輩”にあたる今年の新成人たちは成人年齢引き下げに何を思うのか。会場でアンケートを行った。

新宿区の成人式「はたちのつどい」の様子(写真と本文の取材者は関係ありません)【写真:ENCOUNT編集部】
新宿区の成人式「はたちのつどい」の様子(写真と本文の取材者は関係ありません)【写真:ENCOUNT編集部】

今年4月1日からは成人(成年)年齢を18歳に引き下げる民法改正法が施行される

 東京都新宿区の成人式「はたちのつどい」が成人の日の10日に行われ、会場の京王プラザホテルでは午前中からスーツや振り袖姿の大勢の新成人でにぎわった。今年4月1日からは成人(成年)年齢を18歳に引き下げる民法改正法が施行されるが、当事者の“先輩”にあたる今年の新成人たちは成人年齢引き下げに何を思うのか。会場でアンケートを行った。

 都内の大学に通う新成人の男性は「正直、大人になった自覚はまったくありません。今日は久しぶりにいろんな人に会えてよかった。コロナ禍で立食形式ではなかった? この後に仲のいい数人で飲みに行くので、別にいいです」とし、成人年齢引き下げについては「やっぱり成人=お酒が飲めるというイメージ。責任ばかり負わせて楽しみはまだダメというのはかわいそうだし、18歳での飲酒も増えるんじゃないですか」と語る。

 大学進学を機に一人暮らしをしているという男性は「大人の自覚とかはよく分からないですけど、今日親と写真を撮って、それなりに思うところはあった。18歳で成人になっても成人式は20歳というところがほとんどらしいので、そういう意味では立場だけ成人と言われても自覚はついてこないのでは。成人式という形から入るのも大事だと思います」と話した。

 友達と待ち合わせをしているという振り袖姿の女性は「(18歳成人は)海外では普通。妥当だと思う。私自身、18歳のときはそんなにしっかりしてなかったと思うけど、18歳での成人が定着したら自覚も出てくると思う」。周りが振り袖姿のなかでひときわ目立つグリーンのドレス姿の新成人女性は「一人暮らしとか仕事とか結婚とか、親の許可なくできるのはいいと思う。年齢を重ねたから大人になるんじゃなく、そういうことを自分で決められるようになることが大人になるということだと思うので」と語っている。

 また、成人年齢引き下げと合わせて改正少年法も施行。18、19歳が故意の犯罪行為で人を死亡させるなどの重大事件を犯した場合、「特定少年」として20歳以上と原則同様の扱いを受けることになり、さらに起訴された際には実名や写真等での報道が解禁となる。

 これについて、新成人女性の一人は「18歳以上ならやっていいことと悪いことの区別はつくはず。きちんと責任を取って罪を償うべきだし、実名報道も仕方ないと思う」と話した。

 一方、新成人男性の一人は「年齢は関係なく罪は償うべきだけど、実名報道が過剰なバッシングにつながらないかという心配はある。罪は法の下で裁かれるべきで、実名報道自体が罰のような形になるのは違うと思う」と慎重な意見を口にする。一緒にいた別の新成人男性は「実名報道はあっていいと思うけど、普通の人はそんな犯罪はしない。実名報道をすることが抑止効果になるというなら、それは違うと思います」と意見を述べた。

 20歳で成人を迎える最後の世代となった今年の新成人たち。約3か月後の春には彼らの後輩にあたる18歳、19歳が一斉に成人を迎える。

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