「ダイヤモンド・プリンセス」のずさんな管理実態を告発 感染症のプロが衝撃の乗船レポート
神戸大学病院感染症内科教授でクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」に乗船した岩田健太郎氏が18日夜、YouTubeに投稿した動画が大きな波紋を呼んでいる。
YouTubeに動画を投稿「心の底から怖いと思いました」
神戸大学病院感染症内科教授でクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」に乗船した岩田健太郎氏が18日夜、YouTubeに投稿した動画が大きな波紋を呼んでいる。
感染症のプロである岩田氏は「私個人の見解」として前置きし、同日船内に入って実際に目で見たダイヤモンド・プリンセスにおけるずさんな対応を告発。「それはもうひどいものでした。もうこの仕事20年以上やってですね、アフリカのエボラとか中国のSARSとか色んな感染症と立ち向かってきました。で、もちろん身の危険を感じることは多々あったんですけど、自分が感染症にかかる恐怖っていうのはそんなに感じたことはない」と痛烈に批判した。
「どうしてかというと、僕はプロなので自分がエボラにかからない、自分がSARSにかからない方法っていうのは知ってるわけです。あるいは他の人をエボラにしない、他の人をSARSにしない方法とか、その施設の中でどういうふうにすれば、感染がさらに広がらないかということも熟知しているからです」と理由を説明し、「アフリカにいても中国にいても怖くなかったわけですが、ダイヤモンド・プリンセスの中はものすごい悲惨な状態で、心の底から怖いと思いました。これはもうCOVID-19に感染してもしょうがないんじゃないかと本気で思いました」と恐怖を語った。18日までに感染が確認された乗員は542人に達する”大惨事”となっているが、ウイルスから身を守るための鉄則が全く守られておらず、2次感染リスクが船内に蔓延していたことが原因であることをほのめかした。
クルーズ船を海上隔離する日本の対応をめぐっては、世界からも「場当たり的」と厳しい目が向けられ、米紙ニューヨーク・タイムズは「こうしてはいけないと教科書に載る見本」、米紙ワシントン・ポストは「基本的人権の侵害」とばっさり切り捨てている。