相手が見つからなかった那須川天心 RIZIN引退試合は五味隆典の“男気”で実現した
大みそかの格闘技イベント「Yogibo presents RIZIN.33」(31日、さいたまスーパーアリーナ)の追加対戦カードが25日、都内で発表され、キックの“神童”那須川天心は総合格闘家の五味隆典とエキシビション(3分×2回、スタンディングバウト特別ルール)で対戦することが決まった。RIZINでのラストマッチとなるが、なぜ相手は五味に決まったのだろうか。
次世代を担う若手ファイターと戦うはずが…
大みそかの格闘技イベント「Yogibo presents RIZIN.33」(31日、さいたまスーパーアリーナ)の追加対戦カードが25日、都内で発表され、キックの“神童”那須川天心は総合格闘家の五味隆典とエキシビション(3分×2回、スタンディングバウト特別ルール)で対戦することが決まった。RIZINでのラストマッチとなるが、なぜ相手は五味に決まったのだろうか。
天心にとって、RIZINでのラストマッチは意外な形に決まった。五味は長きにわたり格闘技界をけん引してきたレジェンドだが、天心とは体重や格闘バックボーンに大きな差がある。結局はボクシングルールに準じた特別ルールでのマッチアップとなった。
来年6月の武尊戦を最後にボクシング転向を表明している天心。本来ならキックの次世代を担う若手と対戦し、バトンを渡すような場にする予定だった。
榊原信行CEOによると、武尊との大みそかの対戦がなくなった後は、半年前から20歳の“ムエタイの怪物”吉成名高に対戦オファーを出していたという。しかし12月10日の時点で吉成サイドから「受けられません」という返答が。その後もキックを主戦とする若手有望株とのマッチアップを探ったが、相手が見つからなかったという。
そこで天心が五味を希望。大みそかまで時間的にはぎりぎりのタイミングだったが、五味が受諾。榊原CEOは「五味隆典に助けられた」と感謝した。
会見の席で天心は「始めはRIZINの引退の試合を公式の形でずっとやると考えて、2か月前からずっと調整、減量はしていたんですが、相手が見つからない。オファーをしても断られてしまう。ちょっと悲しくはなったんですが、そういったときに五味さんがオファーを受けてくださって、五味さんとだったら最高の引退をできる」と胸中を明かしている。