【二月の勝者】親を悩ます入学金“捨て金問題” 喜びだけでは済まない難関校続々合格の裏側

俳優・柳楽優弥が主演の日本テレビ系連続ドラマ「二月の勝者‐絶対合格の教室-」の最終話が18日に放送された。激変する受験界に舞い降りた最強で最悪のスーパー塾講師・黒木蔵人が中堅進学塾・桜花ゼミナールの校長として小学生の中学受験合格を導く痛快ドラマ。この日はついに迎えた中学入試本番風景や合格に沸く桜花ゼミナールの講師と生徒の喜びが感動的に描かれた。

「二月の勝者‐絶対合格の教室-」で主演を務めた柳楽優弥【写真:荒川祐史】
「二月の勝者‐絶対合格の教室-」で主演を務めた柳楽優弥【写真:荒川祐史】

桜花の女子トップ・前田花恋は宵の星、新宿舞浜、桜蔭、豊島園に合格

 俳優・柳楽優弥が主演の日本テレビ系連続ドラマ「二月の勝者‐絶対合格の教室-」の最終話が18日に放送された。激変する受験界に舞い降りた最強で最悪のスーパー塾講師・黒木蔵人が中堅進学塾・桜花ゼミナールの校長として小学生の中学受験合格を導く痛快ドラマ。この日はついに迎えた中学入試本番風景や合格に沸く桜花ゼミナールの講師と生徒の喜びが感動的に描かれた。

(※以下、ドラマの内容に関わる記述があります)

 新年を迎え受験本番が迫ってきた。桜花ゼミナールでは生徒の出願状況の把握と受験番号の聞き取り、講師の現地応援が映し出された。桜花ゼミナール女子トップに君臨するΩ(オメガ)クラス“女王”・前田花恋(田中絆菜)の第一志望校は桜蔭中学校。桜蔭は実在する学校で、同高校の21年の東大合格者数は71人(現役61人)、国公立大医学部医学科の合格者数は68人(同57人)というスーパー女子校だ。男子の超難関校である灘高校、筑波大学付属駒場高校、開成高校に匹敵する実績を収め話題を呼んだ。

 注目されるのは花恋の併願校だ。ドラマ中盤で桜花ゼミナールの生徒たちの合格校が壁に張り出されており、「前田花恋」の名前を追っていくと、宵の星女子中、新宿教育学園舞浜中、桜蔭中、豊島園女子中に合格したことが分かる。前述の通り桜蔭は実在する学校で、宵の星女子中は浦和明の星女子中(さいたま市緑区)、新宿教育学園舞浜中は渋谷教育学園幕張中(千葉市美浜区)、豊島園女子中は豊島岡女子学園中(東京・東池袋)がそれぞれモデルになっている。大手進学塾の四谷大塚の22年度中学受験対応サイトによると、偏差値は順に65、70、70となっておりいずれも難関校と言える。22年の実際の試験日は浦和明の星中が1月14日(第1回)、渋谷教育学園幕張中は同22日、豊島岡女子学園中は2月2日(第1回)だ。

 元塾講師で大学講師がこう言う。「成績トップクラスの女子生徒としてはオーソドックスな併願パターンです。宵の星女子中を前受けとして合格を確保したうえで超難関校の渋幕、桜蔭、豊島岡に挑むという作戦です。もっと手堅く行くなら偏差値70の渋幕を外して1月20日に入試が行われる偏差値66の市川中を押さえで受けるという選択肢もあったかと思いますが、最終的に念願の桜蔭中に合格できたので素晴らしかったです」。

 劇中では花恋の桜蔭中合格に歓声を上げる桜花ゼミナール講師たちと「やったー!」と大喜びする花恋の満面の笑顔が登場したが、親としては悩ましい問題が発生する。合格した学校に支払う入学金や延納にかかる費用が家計に重くのしかかってくるからだ。花恋が合格した渋幕の受験日は1月22日で合格発表は24日。入学希望者は、入学手続きを同日午後2時から翌25日午後3時までに完了しておく必要がある。入学金は28万円で延納を希望する場合は5万円を上記期間内に支払い、残金を2月3日午後6時までに決済する。

 同様に1月20日に入試が行われる市川は22日に合格発表があり、入学希望者は同日正午から25日午後3時までに入学手続きを終えなければならない。入学金33万円のうち15万円をこの期間に納入すれば2月3日午後5時半まで残金を延納できる。一方、浦和明の星の入学金(25万円)支払いは所定の手続をすれば延納金不要で2月3日まで先延ばしできる。

「何校か併願する場合、各校の入学金の延納にかかる費用を事前に調べておかないと合格後にびっくりするはめになります。浦和明の星のように延納金不要の学校もあれば、市川のように入学金の約半分を払わないと入学が担保できない学校もあります。滑り止め校の偏差値やネームバリューも大切ですが、実際に合格したらいくらかかるのか事前に確認しておいた方がいいですね。こうした事例は大学受験でも発生しますから予行演習にもなります」(同)

“捨て金”をいかに最少に抑えるか――。パズルのように日程が組まれた中学受験では親の調査力も試されている。

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