大スターが演じてきた役に九團次思わず「色気とはなんぞや?」 海老蔵企画公演に意気込み
歌舞伎俳優の中村児太郎、市川九團次、大谷廣松らが14日、東京・歌舞伎座で行われた市川海老蔵企画公演「いぶき、」の取材会に出席した。「いぶき、」は市川海老蔵が「次世代の俳優たちにさらなる活躍をしてほしい」と企画した公演。「未来へつなぐ新しい挑戦」という思いを込めて「いぶき、」と名付けられた。今年6月に京都の南座で第1回公演が行われ、児太郎、九團次、廣松らが狂言や舞踊を上演。東京では初開催となり、新橋演舞場で2022年1月21日から23日まで行われる。
次世代の俳優のために海老蔵が企画した公演
歌舞伎俳優の中村児太郎、市川九團次、大谷廣松らが14日、東京・歌舞伎座で行われた市川海老蔵企画公演「いぶき、」の取材会に出席した。「いぶき、」は市川海老蔵が「次世代の俳優たちにさらなる活躍をしてほしい」と企画した公演。「未来へつなぐ新しい挑戦」という思いを込めて「いぶき、」と名付けられた。今年6月に京都の南座で第1回公演が行われ、児太郎、九團次、廣松らが狂言や舞踊を上演。東京では初開催となり、新橋演舞場で2022年1月21日から23日まで行われる。
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演目はお正月らしい華やかな舞踊の「春調娘七種(はるのしらべむすめななくさ)」、「切られ与三郎」の通称で親しまれている世話物狂言「与話情浮名横櫛(よわなさけうきなのよこぐし)源氏店」、舞踊劇「忍夜恋曲者(しのびよるこいはくせもの)将門」の3つ。今回児太郎は「忍夜恋曲者」で女方の大役・滝夜叉姫を初役で務める。また「与話情浮名横櫛」では与三郎を九團次が、お富を廣松が演じる。
児太郎は「常日頃から、『古典を守らなければ』と話しておりまして、今年の6月に『いぶき、』の第1回公演をやらせていただきました。海老蔵兄様のおかげで2回目もさせていただくことになりました」とあいさつ。「前回の公演は4日間で、“責任公演”でした」と振り返り、「たった4日間でも、責任を負わないといけないプレッシャーが大きかったことを覚えています。諸先輩方が1か月間座頭公演をしているプレッシャーを感じました」と語った。「2回目ができることはうれしいですが、次につなげるためには今回結果を出さなければいけません。次があるかどうかは自分たちの公演の結果次第なので、前回以上のプレッシャーを感じています。一生懸命やりたい」と意気込んだ。
女方の大名跡の1つ「中村雀右衛門」を祖父(四代目)と叔父(五代目)に持つ廣松は、「叔父(五代目雀右衛門)に『お富をさせていただくので教えてください』と言いましたら、快く受けてくださいました」と喜んだ。「祖父(四代目雀右衛門)が残してくれたものもたくさんありまして、整理していたら古い台本や書きなぐったノートが出てきました。その書きなぐったノートは解読できなかったんですが……。叔父にも『パパの字は読めないから』と言われました」と明かした。
与三郎を演じる九團次は「歌舞伎界の先輩方、大スターの方が演じてこられてきたお役。お客様にもポピュラーな人気狂言です。私がやらせていただくことに怖さがあります。海老蔵丈や市川家にゆかりある演目で、全体的な監督や指導も海老蔵丈にお願いしています」と恐縮。「なんとも…なんともなんですが……。与三郎は大棚の息子である坊ちゃんの雰囲気や、海老蔵丈の持つ色気や哀愁が非常に必要なお役。私はそこらへんが非常に苦手。そこもしっかり……」と言葉に詰まると、「しっかりと言うかねぇ。やろうと思ってできるもんじゃないんですよねぇ。色気とはなんぞや?」と会場を笑わせた。
公演には中村芝のぶ、市川新蔵、市川新十郎、市川右若、市川蔦之助、市川升三郎、市川福太郎、市川福之助も出演する。