日大が会見 田中前理事長と永久決別を宣言 「退職金も一切支給しない」

日本大学前理事長の田中英寿容疑者が所得税法違反の疑いで逮捕されたことを受け、日大が10日、都内で会見を開き、一連の事件を謝罪した。

日本大学の加藤直人学長(左)と渡邊武一郎副学長が謝罪した【写真:ENCOUNT編集部】
日本大学の加藤直人学長(左)と渡邊武一郎副学長が謝罪した【写真:ENCOUNT編集部】

9月に家宅捜索、幹部の相次ぐ逮捕や文科省の要請も会見開かず

 日本大学前理事長の田中英寿容疑者が所得税法違反の疑いで逮捕されたことを受け、日大が10日、都内で会見を開き、一連の事件を謝罪した。

 会見には加藤直人学長、渡邊武一郎副学長のほか、監事、弁護士を合わせて計4人が出席した。

 冒頭で加藤学長は「130年の歴史の中で理事長が逮捕されたのは初めて。先人が築かれた伝統ある日本大学が汚されたことに対して憤りを感じつつ、恥ずかしく思っている」と話し、騒動を謝罪した。

 また、文部科学省の再三の要請にもかかわらず、説明が遅れたことにも頭を下げた。

 田中前理事長の逮捕を「前代未聞の出来事」と断罪。

 そして背任事件の経緯を中心に説明を行う始めに、「重要なことを先に3点お話します」と前置きし、1)「日本大学は田中前理事長と永久に決別し、その影響力を排除します。今後一切、彼が日本大学の業務に携わることを許しません。ここに宣言します」、2)「また、同人の役員報酬、賞与、退職慰労金についても一切支給しない」、3)「外部有識者を中心とする日本大学再生会議を組織し、日本大学の将来について検討」と、表明した。

 東京地検が9月に強制捜査して以降、田中容疑者や元理事の井ノ口忠男被告=背任罪で起訴=が逮捕。文部科学省の再三の要請にもかかわらず、日大は会見を開いてこなかった。説明責任を果たさない姿勢には、学内外で批判が高まっていた。

 会見の会場には人数制限の中、約100人の報道陣が駆け付けた。建物の前の道路には中継車が並び、会見の様子を伝えた。

 田中容疑者は3日に理事を解任。日大は加藤学長が理事長を兼務し、全ての理事が辞任することを決めている。

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