元TBSアナ木村郁美さんの退職理由「主人に永久就職」 生死さまよった夫との二人三脚
TBS系「はなまるマーケット」「王様のブランチ」「チューボーですよ!」など多くの人気番組で活躍した元TBSの人気アナウンサー・木村郁美さん(48)。1996年から25年勤めたTBSを9月に退社した。局の看板アナとして活躍し、多くの視聴者に愛されてきた。なぜ突然、退職したのか。おしどり夫婦との声も聞こえるが、今どんな生活をしているか聞いてみた。
TBS時代は「王様のブランチ」「チューボーですよ!」など担当した看板アナ
TBS系「はなまるマーケット」「王様のブランチ」「チューボーですよ!」など多くの人気番組で活躍した元TBSの人気アナウンサー・木村郁美さん(48)。1996年から25年勤めたTBSを9月に退社した。局の看板アナとして活躍し、多くの視聴者に愛されてきた。なぜ突然、退職したのか。おしどり夫婦との声も聞こえるが、今どんな生活をしているか聞いてみた。(取材・文=中野由喜)
「振り返れば、アナウンサー時代は、すごく充実した時間でした。自分の成長にとって大事な機会をたくさん与えてもらいました。何より、いろんな人とのご縁を頂いて、今でもつながっているのはうれしいこと。『影武者がいるのでは』と言われるほど忙しいときもありましたが、それがあったから今があると思えます。寝たきりだった祖父がテレビを見てウルウルしていたみたいで、おじいちゃま孝行もできたと思います」
2018年に海外販売事業関連の部署に異動になり、仕事は一変。退職と関係があるのか。
「慣れない仕事も周囲の助けがあり、すごく充実した日々でした。辞めたのは主人のことがあって。結婚前のお付き合いしているとき、主人は2回心肺停止になったんです。ジムで走っていて倒れ、もう少しで意識が戻るというときにまた止まり、重度の障害が残るか、もう無理かも、という状態が続きました。そこから奇跡の復活をしました。夫の症例は学会で紹介されたほどの奇跡でした。心臓の手術をして2014年に結婚しましたが、結婚の前後、よく話したのは『命には限りがある』という話。一緒にいる時間を大切にしたい、主人の体調が優れないときや仕事が忙しい時のサポートをしたいと、2人で話して退職を決めました。すごく前向きな退職。主人に永久就職する感じです」
実業家の夫は多忙な中、100キロマラソンに2回も挑戦したほどランニング好き。無理をしがちな夫への思いを感じる。
「今は主人のおかげで幸せです。私の趣味は夫です。夫と一緒にいるすべての時間が楽しいです。毎日一緒に3時間ウオーキングをしながら、いろんなことを話すのが最も尊い時間。私の洋服は全部主人が買ってきてくれるんですよ」
夫婦円満の秘けつは何だろう。
「私たちは特殊かもしれません。主人が生死をさまよい、義母には結婚前『郁美さんは自分の幸せを考えて』と言われました。私はそんな気は全くありませんでしたし、私も、どうにもならないほど、つらいときに夫に支えてもらいました。主人も私がいたから雨の日も風の日も毎日リハビリを続けてきました。生死という意味でもお互いにかけがえのない存在です」