「盲腸、虫歯だと宇宙飛行士になれない」は都市伝説? 13年ぶり募集のJAXAに聞いた条件とは
宇宙航空研究開発機構(JAXA)が13年ぶりに宇宙飛行士候補者の新規募集を開始する。国際宇宙ステーション(ISS)や日本実験棟「きぼう」、そして月周回有人拠点「ゲートウェイ」や月面での活動を想定し、概要を発表した。
13年ぶりの募集は「学歴不問」など、募集条件を前回から大幅に緩和
宇宙航空研究開発機構(JAXA)が13年ぶりに宇宙飛行士候補者の新規募集を開始する。国際宇宙ステーション(ISS)や日本実験棟「きぼう」、そして月周回有人拠点「ゲートウェイ」や月面での活動を想定し、概要を発表した。(取材・文=佐藤佑輔)
応募受付期間は2021年12月20日から2022年3月4日まで、採用人数は「若干名」を予定。募集要項では2008年の前回募集と比較し、「自然科学系の四年制大学卒業」「自然科学系の3年以上の実務経験」の条件を撤廃し「学歴不問」に、着衣での75メートル水泳や10分間の立ち泳ぎなども「選抜後に訓練あり」とするなど、大幅な緩和となった。
今回の募集条件緩和について問い合わせたところ、JAXAからメールで回答があった。
これまでの理系大学卒から「学歴不問」とした理由については「宇宙飛行士になれる可能性を多様な方々に広げるために、宇宙飛行士候補者への応募(入口)の段階では、可能な限り要件を狭めすぎることなく、選抜での能力発揮で選びたいという趣旨で変更しました。学歴などで応募を閉ざすことはせず、できるだけさまざまなバックグラウンドの方に活躍いただく可能性を入口の段階で確保できればという考えです」と説明した。
また、身長制限が「158~190センチ」から「149.5~190.5センチ」と緩和されたこと、体重制限がなくなったことについては「今後搭乗を予定している宇宙船などによる身体条件に準じて設定しています。体重は生活指導などによる改善等で増減がある程度可能であるため、応募資格には設定していません」としつつ、「宇宙船などによる身体条件があるため、選抜過程において体重の評価も実施します」とした。